
確定申告が初めての配達員へ。必要なもの・書き方ぜんぶやさしく解説
初めて確定申告に挑戦する配達員の方へ向けて、「何を準備すればいいのか?」「どの書類をどう書けばいいのか?」を、できるだけやさしく、ゆっくり丁寧にまとめました。
Uber/Wolt/出前館など、フードデリバリーの働き方に完全対応した入門編です。
目次
はじめに:確定申告ってそもそも何をするの?
「確定申告」と聞くと、むずかしい手続きのイメージがあるかもしれません。しかし実際にやることはとてもシンプルで、1年間で「いくら稼いで」「いくら使ったか」をまとめて、税金を計算するだけです。
フードデリバリーの場合、売上データがアプリにまとまっているので、一般の個人事業主よりむしろ簡単な部類です。必要な書類も多くありませんので、落ち着いて進めていきましょう。
配達員が提出する書類は「たった3つ」です
まず安心してほしいのですが、配達員の確定申告で提出する書類はとても少なく、基本は次の3つだけです。
1. 売上(年間報酬)のデータ
Uberなら「税務書類」→年間取引報告書(Annual Summary)から確認できます。Wolt・出前館も同様です。
2. 経費の一覧
ガソリン・原付整備・スマホ通信費など、仕事に関係した支出をまとめます。レシートがあるものは保存しておきましょう。
3. 控除の証明書
生命保険控除、国民健康保険、ふるさと納税などの各種控除証明書です。
この3つがそろえば、確定申告の8割は終わったようなものです。
Uber・Wolt・出前館の「売上のまとめ方」
配達員の売上は、アプリで自動的に記録されています。ここでは、どの数字を使えばいいかだけ押さえましょう。
年間レポートのどこを見る?
Uberの場合、「Gross Trip Earnings(総売上)」が収入のベースになります。
売上は“入金額”とは少し違う理由
配達アプリ側ではサービス料控除前の金額が売上として記録され、そこから手数料が引かれて銀行に振り込まれます。 確定申告では売上を使うのが原則です。
これが配達員の経費の基本(まずはこれだけ覚えればOK)
経費は難しく考えなくて大丈夫です。まずは次の6つだけ押さえれば十分です。
1. ガソリン代
レシート必須。年間の中でも大きな割合を占めます。
2. 原付・自転車の整備費
オイル交換、タイヤ交換、チェーン調整など。
3. スマホ料金
配達に必要な通信費は経費にできます。家事按分(仕事で使った割合)を後で決めます。
4. スマホ端末代
一括で計上するのではなく、減価償却で分割します。
5. モバイルバッテリー・ケーブル
配達中に使うものは経費として問題ありません。
6. Uberバッグ・雨具
配達に必要な道具として計上できます。
収支内訳書の書き方を“いちばんやさしく”説明します
収支内訳書は確定申告の中心ですが、難しく考える必要はありません。実際に書く欄は限られています。
売上を書く欄
「営業等収入」という欄に、年間売上(アプリの数字)をそのまま記入します。
経費を入れる欄
経費は「通信費」「旅費交通費」「減価償却費」など、ジャンルごとに分類して書きます。迷う場合は「その他」でも構いません。
家事按分を書く場所
家事按分は“使った割合”のことです。 例えばスマホ通信費12万円のうち仕事で半分使った場合、 6万円を経費として記入します。
提出前に必ずチェックするポイント
1. 売上と入金がズレていないか
年間売上の数字と実際の入金額には差が出ます。これは手数料控除が理由です。 売上はあくまでアプリ側の数字を使います。
2. 経費が多すぎないか
税務署は「売上に対して経費が極端に多い人」をチェックします。 不自然な支出は避けましょう。
3. 使った日・用途が説明できるか
レシートがあると安心です。メモでも構いません。
よくある質問まとめ
Q. レシートがないと経費にできませんか?
A. メモがあれば原則可能ですが、大きな支出はレシートが必要です。
Q. 家事按分は毎年同じでもいい?
A. 基本は問題ありません。使い方が変わった年だけ見直します。
Q. 本業が会社員でも確定申告は必要?
A. 副業で20万円超の所得がある場合は必要です。
おわりに:今年の申告を“軽く片付けるコツ”
確定申告は難しそうに見えて、配達員の場合はやることが明確です。 売上をまとめ、経費を整理し、控除の書類を集め、収支内訳書に書き込むだけです。
ゆっくり落ち着いて進めれば、初めての方でも必ずできます。 今年はサクッと終わらせて、スッキリした気持ちで新しい一年を迎えましょう。
編集後記
確定申告の初心者向け記事を、できるだけ専門用語を減らして書きました。 シリーズの次回は「配達員の実務ガチ版(収支内訳書の深掘り)」を予定しています。
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