配達員の道標【新基準原付法シリーズ】
#23|経過措置:旧50cc・在庫車・排ガス規制(第4次)との接続

2025年11月以降は“旧50ccの運用”と“新基準原付の普及”がしばらく並走する。現場は「在庫」「登録」「表示」「保険」の4点で詰む。先に整えておけば、配達は止まらない。
0) 結論サマリ(30秒)
- 旧50ccの生産は2025年10月末で終了。ただし既存車の運用は継続できる(登録・保安基準・保険は従来どおり)。
- 在庫車は「製造時の法適合+正規の販売・登録手続き」が前提。年式・書類の抜けや齟齬は運用保留のサイン。
- 新基準原付(0.050L超〜0.125L以下×4.0kW以下)は2025年4月から運用開始。最高出力表示と確認制度で裏付ける。
- 並走期は表示・諸元票・登録情報の3点突合が命。迷ったら止め、書類から詰める。
1) タイムライン:旧50cc→第4次規制→新基準の並走
- 〜2025/10/31:50cc新車の国内生産終了(各社の在庫対応は販売店案内に従う)。
- 2025/11/01〜:二輪の第4次排出ガス規制が適用。以降は新基準原付と既存50ccが並走期に。
- 継続:既存の50ccは条件を満たせば登録・運用可。新基準原付は原付免許/普免で運転可(原付一種扱い)。
※販売・登録期限の細目は販売側・自治体手続で差異が出やすい。現場は年式・型式・表示・書類で判断する。
2) 在庫車の扱い:販売・登録・書類の要点
在庫車は「製造時点での適合」「型式/確認ルート」「書類と表示の一致」の3点で見る。
- 製造時適合:製作年月日に応じた排ガス・保安基準へ適合しているか。
- 型式/確認:型式認定か、型式外なら最高出力の確認制度で証明→表示があるか。
- 書類整合:諸元票・販売書類・車体表示(排気量/最高出力/型式)の一致。
いずれかに疑義があれば運用保留→販売者へ是正要求が安全。表示欠落のまま納車・運用は避ける。
3) 既存ユーザー:継続利用・整備・表示の確認
- 運用継続:登録・自賠責・保安基準・整備が満たされていれば継続可。
- 表示:新基準原付は最高出力表示が鍵。旧50ccは従前仕様だが、在庫・並行・改造絡みは表示/書類の整合を見直す。
- 任意保険:区分・年式・改造有無の申告が事故時の責任分界に直結する。更新時に明確化。
4) 新基準原付との接続:0.050L超〜0.125L以下×4.0kW以下
新基準原付は排気量レンジ(0.050L超〜0.125L以下)と最高出力4.0kW以下の両立が条件。型式外や中古でも、最高出力確認制度で裏付け表示が可能(詳細は#21参照)。
- 交通ルール:原付一種と同じ(30km/h、二段階右折、二人乗り不可)。
- 免許:原付免許/普通免許で可(区分逸脱は免許外争点)。
5) 実務フロー:購入前→受領→登録→運用→検証
6) 経過措置チェックリスト(A4貼り付け)
- [在庫車]製造年月と基準適合の確認(年式相応の基準)。
- [表示/書類]車体表示(排気量/最高出力)⇔諸元票⇔販売書類が完全一致。
- [型式外]最高出力確認制度の結果票+表示の有無。
- [登録]自治体窓口で記載事項と表示の齟齬がないか最終確認。
- [保険]区分・年式・用途の申告を見直し。改造履歴は保険会社へ共有。
7) FAQ:短答
- Q. 2025/11以降、50ccにはもう乗れない?
- A. いいえ。既存の50ccの継続運用は可(登録・保安基準・保険等が条件)。
- Q. 在庫の50ccは買える?登録できる?
- A. 制度適合で販売・登録可だが、年式/書類/表示の整合を必ず確認。齟齬は運用保留。
- Q. 電動は“定格W”で見る?
- A. 一般原付の区分は最高出力kWで判定(特定小型などは別制度)。
参考・根拠メモ(差し込み口)
※告示・通達は改訂が入るため、公開時点で最新版に差し替えること。


















