闇の手前で生きる#03|電動キックボードの“法律の地雷”——特定小型を一撃理解

アニメ風のきれいな図案。電動キックボードと道路標識、左に「20km/h(車道)」右に「6km/h(歩道)」と緑の最高速度表示灯、タイトル文字入りの16:9サムネイル。

闇の手前で生きる #03

電動キックボードの“法律の地雷”:特定小型を一撃理解

結論、「区分で9割決まる」。
特定小型は 車道20km/h/歩道6km/h(特例機)/16歳以上・ヘルメット努力義務。ナンバー・自賠責・最高速度表示灯は必須。現場で迷わない“正解動作”を示します。

まずは区分:特定小型/特例特定小型の違い

特定小型原動機付自転車(いわゆる“電動キックボード”の新基準)は、長さ1.9m以下・幅0.6m以下、定格出力0.6kW以下、最高速度20km/h以下などの要件を満たす機体です。さらに、歩道を通れるタイプは特例特定小型と呼ばれ、6km/hの歩道モード最高速度表示灯の点滅など追加の条件を満たす必要があります。

区分 どこを走れる? 速度 年齢/免許 ヘルメット 主な装備
特定小型(車道型) 車道・自転車道(自転車通行帯含む) 最高20km/h 16歳以上/免許不要 着用努力義務 最高速度表示灯(緑)、ライト・尾灯・反射器、ブレーキ等
特例特定小型(歩道可) 車道・自転車道条件付きの歩道(自転車歩行者道等の標識がある場所) 車道等:20km/h、歩道:6km/h(モード切替・表示灯点滅) 16歳以上/免許不要 着用努力義務 上記に加え歩道モードの制御・表示
ポイント:「歩道はどこでもOK」ではない。標識がある歩道のみ6km/h表示灯点滅の三点セットで初めて合法になります。

通行できる場所:車道・自転車道・歩道の境界

  • 車道/自転車道原則として左側通行。右折は二段階右折の場面が多い(右折レーン進入は不可のケースがある)。
  • 歩道:特例特定小型かつ標識ありの歩道のみ歩行者最優先6km/hモード、表示灯点滅が条件。
  • 自転車ナビライン/レーン:自転車と同様に走れる区間があるが、歩道側へ逸脱しないこと。

自治体ごとに案内掲示・取り締まりの重点が微妙に異なります。現地標識と路面表示を最優先で判断。

必須装備と手続:ナンバー、自賠責、最高速度表示灯

手続(法定)

  • ナンバー取得(市区町村で登録)
  • 自賠責保険の加入・証明書の携行(保管設備が無い場合は電子携行可)
  • 16歳以上のみ運転可(免許不要)

装備(代表例)

  • 最高速度表示灯(緑):車道等では点灯、歩道では点滅
  • 前照灯・尾灯・反射器ブレーキ等の保安基準適合
  • ヘルメットは努力義務(推奨:自転車JCF/SG等の基準品)
よくある誤解:「試乗で近所をちょっと」でも公道なら全て法適用。ナンバー・自賠責無しは一発アウト。私有地内のみが例外です。

やりがち違反→正解動作(地雷回避10)

やりがち 正解動作 一言メモ
標識のない歩道をそのまま走る 標識ありの歩道のみ可/それ以外は車道へ 歩道は6km/h+表示灯点滅
右折レーンに進入して小回り右折 二段階右折を前提に行動 交差点内は事故多発地帯
ナンバーと自賠責を後回し 登録→保険→走行の順 無保険は重大リスク
ヘルメットを省略 常用する(努力義務でも実害回避) 頭部保護は致命傷軽減
夜間に無灯火 前照灯・尾灯・反射材を徹底 側面反射も効く
スマホ保持・ながら運転 完全停止して操作 検挙・事故どちらも痛い
歩行者の脇をスレスレで通過 徐行・声掛け・十分な間隔 歩道は歩行者最優先
雨天でブレーキ距離を見誤る 速度控えめ+路面マンホール回避 制動力低下を前提に
二人乗り 常に一人乗り 定員外乗車はNG
整備不良のまま乗る タイヤ・ブレーキ・灯火を事前点検 週1でミニ点検を

夜間・雨天・交差点のリスク管理

  • 右直事故回避:右折車の前へ出ない。ドライバーの視線がこちらを捉えたかを確認。
  • 左折巻き込み:大型車の前で停止しない。死角が広い。先に行かせる判断も。
  • 視認性:前照灯+尾灯に加え側面反射(足首リフレクター等)が効く。
  • 雨天:マンホール・白線・橋上は滑る。早めの減速・直線ブレーキ。

事故・検挙時の初動テンプレ

【状況】交差点で自動車と接触/歩行者と接触
【安全確保】二次事故を避け安全な場所へ移動。負傷の応急処置。
【連絡】110番/必要に応じ119番。位置・負傷程度・相手車両を伝達。
【記録】相手氏名/連絡先/車両・保険、現場写真、標識・信号、ドラレコ/目撃者。
【通報番号】警察の受理番号をメモ。
【保険】自賠責・任意の連絡。
【検挙時】違反名・場所・標識・速度・説明内容をメモ(落ち着いて事実確認)。

※ 歩行者最優先。過失割合の判断は後日。現場では安全確保と記録を最優先に。

チェックリスト&配布物

出発前チェック(毎回)

  • ナンバー・自賠責ステッカー・表示灯OK?
  • ブレーキ効く?タイヤ空気圧OK?
  • ライト・尾灯・反射材OK?
  • ヘルメット装着/雨具の視認性OK?

週1ミニ点検

  • 固定ボルト増し締め、ブレーキシュー/パッド残量
  • タイヤ摩耗・ひび割れ・ネジゆるみ
  • 充電器・バッテリーの異臭/膨れ無し
保存用:自分の“区分カード”

特定小型 車道20km/h/左側通行/二段階右折前提/歩道×(標識ない限り)
特例特定小型 歩道は標識ありのみ/6km/hモード+表示灯点滅/歩行者最優先


🧩本日のミニクイズ

「標識のない歩道」を時速6kmで走っている。あなたの機体は特例特定小型だが、表示灯を点灯のままにしていた。適切なのは?

  1. 表示灯は点灯のままでOK
  2. 表示灯を点滅に切替え、歩行者最優先で徐行
  3. 標識がないので車道へ移動する
解答を見る

C or B標識のない歩道はそもそも走行不可なのでCが基本。標識がある歩道ではB(6km/h+表示灯点滅)。

編集後記

電動キックボードのルールは「自転車と同じ?」と誤解されがちですが、実際は原付の新しい区分です。大事なのは“歩道は特例+標識がある所だけ/その時は6km/h+表示灯点滅”。そして、手続(ナンバー・自賠責)を先に完了させること。これだけで多くのトラブルは回避できます。次回は「名義貸し・口座凍結:巻き込まれを断つ」を予定しています。

 

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公道走行の必須チェック

16歳以上免許不要自賠責
  • ナンバー登録&自賠責加入は必須
  • 最高速度表示灯(緑):車道=点灯/歩道=点滅
  • 歩道は標識のある歩道のみ+6km/h
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※公道走行は16歳以上。歩道走行は特例特定小型の条件(標識あり・6km/h・表示灯点滅)に限ります。