
闇の手前で生きる #05
メンタル危機セルフレスキュー
最初の60秒:呼吸・体勢・危険の遮断
- 呼吸:4秒吸う→6秒吐く×6回。肩を落とし、顎を少し引く。
- 体勢:椅子に深く座る/床に座る。足裏と座面の接触を意識。
- 危険を遮断:刃物/薬/紐など、危険物を届かない場所へ移動。一人なら玄関へ出る/明るい場に移動。
※ 息が苦しい・めまいがする時は、横にならず座位で前屈みのほうが楽なことが多い。
次の120分:3つの確保(人・睡眠・血糖)
48時間の保全:刺激を絞り、記録する
| やらないこと | やること | メモ |
|---|---|---|
| 大事な決断・SNSの論争・過度な情報摂取 | 睡眠・食事・水分・散歩・日光の最低限 | “土台”を削ると回復が遅れる |
| 孤立(連絡ゼロ) | 一日1回だけでも短い電話を入れる | 「声を聞く」を最優先 |
| 飲酒での一時しのぎ | 白湯・ポカリ系・常温の水 | 脱水は悪化要因 |
記録のすすめ
「寝た時刻/起きた時刻/食べたもの/連絡した人」をメモに4行。医療や相談につなぐ時の助けになります。
家族・同僚へ“伝えるテンプレ”
家族・友人へ
今日は心身の調子が悪く、安全のため家にいます。
①危険物は片付け済 ②水分と軽食OK ③30分だけ電話できます。
返事が遅いかもしれませんが、音声なら出られます。助かります。
①危険物は片付け済 ②水分と軽食OK ③30分だけ電話できます。
返事が遅いかもしれませんが、音声なら出られます。助かります。
職場・学校へ
本日、体調不良により在宅静養します。
緊急の連絡は電話でお願いします。
期限のある作業は、明日以降に再調整させてください。
緊急の連絡は電話でお願いします。
期限のある作業は、明日以降に再調整させてください。
セルフチェック(赤信号/黄信号)
赤信号(今すぐ専門へ)
- 自分を傷つける具体的な計画や準備がある
- 幻聴・幻視/現実感の低下で安全が保てない
- 長く眠れず、衝動が強くなっている
黄信号(48時間以内に相談)
- 過度な不安/焦燥/絶望が続く
- 食事・睡眠の崩れが止まらない
- 仕事・学業・家事が手につかない
最低ルーティン(睡眠・食・画面)
| 項目 | 最低限の型 | コツ |
|---|---|---|
| 睡眠 | 就床・起床を±1時間内に固定 | 寝室は暗く静かに/昼寝は20分まで |
| 食 | 1日2〜3回、「主食+たんぱく質」を少量でも | 白湯→炭水化物→タンパクの順 |
| 画面 | 深夜のSNS/ニュース断ち | スマホは寝室外で充電 |
| 身体 | 外で5〜10分歩く | 午前の光で体内時計を戻す |
専門につなぐ:信頼できる相談先
いま危険な気持ちが強い/安全が保てないときは、迷わず専門につなぐ。下の番号は公的/信頼できる窓口です。
よりそいホットライン(24時間)
- 0120-279-338(フリーダイヤル)/IP電話 050-3655-0279
- 外国語対応・専門窓口あり/24時間対応
出典:厚労省ポータル「まもろうよ こころ」・よりそい公式。 :contentReference[oaicite:0]{index=0}
TELL Lifeline(英語ほか)
- Toll-free 0800-300-8355/固定回線 03-5774-0992
- チャット/電話。曜日により提供時間帯が異なる
出典:TELL公式。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
子ども・若者向け
- チャイルドライン(18歳まで)/時間帯あり
出典:チャイルドライン公式。 :contentReference[oaicite:3]{index=3}
※緊急時は迷わず 110/119。地域の精神保健福祉センターや「こころの健康相談統一ダイヤル」も各自治体で案内があります。 :contentReference[oaicite:4]{index=4}
🧩本日のミニクイズ
危機の48時間内に“やらない方がよい”ものはどれ?
- 睡眠・食事・水分の確保
- 大事な決断や論争への参加
- 短い電話での安否確認
解答を見る
B。決断や論争は延期し、土台(睡眠・食・水分)と安否の連絡を優先。
編集後記
“闇の手前”は誰にでも来ます。必要なのは、勇気や根性ではなく、順番。呼吸→安全→睡眠→食→連絡→専門へ。できるところからでいい。今日のあなたがここまで読めたこと自体、十分に成果です。
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