第19話【実録】頼んでない荷物が次々——置き配でも“異常”ならベル→警察→回収

【実録】頼んでない荷物が次々…クレカ“テスト注文”を現場で止めた夜

短い廊下に、袋がずらりと並ぶ。置き配の札は静かに揺れ、呼吸を潜めた不正がそこにいた。——これは、配達員が現場で守った「人の生活」の話だ。

カテゴリ:Uber教科書/トラブル体験/防犯/クレジットカード

まえがき(語り)

君たちね、夜の玄関ってのはね、家族の心臓みたいなもんなんだ。そこに“頼んでない荷物”が続けざまに届く。黙って置いて行けば仕事は早い。けれども、早さより大事なことがあるだろ? 安心だ。信用だ。人の暮らしだ。

だから私はね、ベルを押したよ。置き配だと分かってても、異常のときはルールより命。確認して、警察を呼んで、店に戻した。君たちも覚えておきなさい。安全・証跡・連絡の三本柱、これが現場の正義だ。

現場で起きたこと(写真)

短時間で同住所に商品が積み上がる。住人は未注文。筆者は警察連絡後、商品を店舗へ返却。

今回の配達は置き配指定。だが、見てごらん、同じ住所の前に袋が次々と並ぶ光景。これは普通じゃない。私は置きをいったん保留インターホンで本人確認をした。住人はきっぱりと「頼んでいない」。ここで私は110番通報。状況を共有し、プラットフォームのサポート・店舗とも連携して、置かずに回収→店舗へ返却の手順を選んだ。

  • 異常検知(廊下に複数袋)
  • 置き配保留 → インターホンで確認(住人:未注文)
  • 110番通報 → 受理番号取得
  • サポート・店舗へ共有 → 回収・返品
  • 住人:カード停止・不正申告へ

君たち、ベルを鳴らす勇気は仕事のうちだ。マニュアルは道標、現場は命の現場。間違えちゃいけない。

これは何か:クレカ“テスト注文”の仕組み

不正者は盗んだ/漏えいしたカード情報で、まず小額決済を試す。通ると分かれば、中額→高額へと段階を上げる。置き配や名義の曖昧さを悪用し、対面確認を避ける。短時間・高頻度、名義・電話の不一致、同一住所へ複数アカウント——これらは赤信号だ。

人の信用を盗む商売に、繁忙も閑散もない。不正はいつだって静かにやって来る。だから、目と心で見張ってやるんだ。

  • 目的:有効なカードを“選別”し、高額決済へ移行するための下見。
  • 手口:置き配・名義誤記・第三者住所を使って対面確認を回避。
  • 兆候:短時間・高頻度/名義・電話不一致/同一住所へ別アカウント。

配達員の現場プロトコル(保存版)

  1. 安全最優先:不審者追跡・対峙はしない。人通り・明るい場所で待機。
  2. 置き配でも異常時は保留→インターホン確認:大量・高頻度・名義不一致などの異常があれば、置き配指示よりも安全確保を優先し本人確認(「同住所に連続で届いています。ご注文にお心当たりは?」)。
  3. 未注文の申告があれば:置かない・回収に切り替え、110番通報サポート→店舗連絡を並行。受理番号・担当名・時刻をメモ。
  4. 記録の保全伝票・アプリ画面・荷物配置・時刻を写真で記録(個人情報は最小限)。
  5. 返品・報告:指示に従い店舗へ返却。案件番号と記録をアプリから提出。自衛用に手元記録も保存。
📞 台本テンプレ(コピペ可)

インターホン:「配達員です。短時間に同じ住所へ複数配送が発生しています。安全確認のため置き配を一時保留しています。ご注文にお心当たりはありますか?」

110番「集合住宅で、住人が未注文の荷物が短時間に複数届いています。不正利用の疑いがあるため、受理番号の発行と対応のご指示をお願いします。」

急がば回れ”——それはね、現場では“疑えば確かめろ”ってことなんだ。

お客さん(被害者)がやること

  1. カード会社に緊急停止(24h)。「連続の未注文が届いている」と伝える。
  2. 不正利用申告と再発行手続き。被害日時・業者名・金額のメモを共有。
  3. 被害届または受理番号の取得(警察)。
  4. メール転送設定・パスワード・2段階認証の総点検(使い回し停止)。

〈困ったら、ひとりで抱えない〉。止めて、知らせて、守り合う。これが町の防犯だ。

お店/プラットフォームの対応

  • 疑義取引としてフラグ→決済精査・返金フロー。
  • 同住所・短時間の連続注文に対し、本人確認・受取サインなどリスク軽減を適用。
  • 配達員からの現場情報(写真・時刻・通話ログ)を保全

配達員・店舗・サポート——三者の連携はだ。一本でも切れれば、重みは地面に落ちる。

類似事例と参考資料

※具体的な判断・介入はプラットフォーム規約と警察の指示に従うこと。

予防とチェックリスト

  • 置き配であっても、大量・高頻度・名義不一致はサポート確認。
  • 受け人が「頼んでいない」と言う場合は置かない・回収へ転換。
  • 夜間・人気の少ない場所は単独で粘らない。明るい場所で対応。

“備えあれば憂いなし”。備えってのはね、次の一手を決めておく心のことだよ。

よくある質問

置き配指示でも置いていい?

未注文を名乗る住人がいる/不正の疑いが濃いときは置かない。サポート・店舗の指示に従い回収へ。

商品はどうなる?

原則は店舗返却→事業者判断。勝手な廃棄・譲渡は避ける。

警察は来てくれる?

状況によりパトロール・事情聴取あり。受理番号や担当名をメモしておくと後続がスムーズ。

🧩本日のミニクイズ(配達戦術・上級)

  1. 同住所に20分で3件の置き配依頼。住人は未注文と主張。最適な初動は?


  2. 証跡として望ましいのは?


  3. お客さんへの最優先アドバイスは?


※本記事は現場の実体験に基づく一般的な対処法です。個別案件は各プラットフォーム規約・警察の指示に従ってください。

語り|ヘッドコーチこうた