
【実録】頼んでない荷物が次々…クレカ“テスト注文”を現場で止めた夜
短い廊下に、袋がずらりと並ぶ。置き配の札は静かに揺れ、呼吸を潜めた不正がそこにいた。——これは、配達員が現場で守った「人の生活」の話だ。
まえがき(語り)
君たちね、夜の玄関ってのはね、家族の心臓みたいなもんなんだ。そこに“頼んでない荷物”が続けざまに届く。黙って置いて行けば仕事は早い。けれども、早さより大事なことがあるだろ? 安心だ。信用だ。人の暮らしだ。
だから私はね、ベルを押したよ。置き配だと分かってても、異常のときはルールより命。確認して、警察を呼んで、店に戻した。君たちも覚えておきなさい。安全・証跡・連絡の三本柱、これが現場の正義だ。
現場で起きたこと(写真)

今回の配達は置き配指定。だが、見てごらん、同じ住所の前に袋が次々と並ぶ光景。これは普通じゃない。私は置きをいったん保留、インターホンで本人確認をした。住人はきっぱりと「頼んでいない」。ここで私は110番通報。状況を共有し、プラットフォームのサポート・店舗とも連携して、置かずに回収→店舗へ返却の手順を選んだ。
- 異常検知(廊下に複数袋)
- 置き配保留 → インターホンで確認(住人:未注文)
- 110番通報 → 受理番号取得
- サポート・店舗へ共有 → 回収・返品
- 住人:カード停止・不正申告へ
君たち、ベルを鳴らす勇気は仕事のうちだ。マニュアルは道標、現場は命の現場。間違えちゃいけない。
これは何か:クレカ“テスト注文”の仕組み
不正者は盗んだ/漏えいしたカード情報で、まず小額決済を試す。通ると分かれば、中額→高額へと段階を上げる。置き配や名義の曖昧さを悪用し、対面確認を避ける。短時間・高頻度、名義・電話の不一致、同一住所へ複数アカウント——これらは赤信号だ。
人の信用を盗む商売に、繁忙も閑散もない。不正はいつだって静かにやって来る。だから、目と心で見張ってやるんだ。
- 目的:有効なカードを“選別”し、高額決済へ移行するための下見。
- 手口:置き配・名義誤記・第三者住所を使って対面確認を回避。
- 兆候:短時間・高頻度/名義・電話不一致/同一住所へ別アカウント。
配達員の現場プロトコル(保存版)
- 安全最優先:不審者追跡・対峙はしない。人通り・明るい場所で待機。
- 置き配でも異常時は保留→インターホン確認:大量・高頻度・名義不一致などの異常があれば、置き配指示よりも安全確保を優先し本人確認(「同住所に連続で届いています。ご注文にお心当たりは?」)。
- 未注文の申告があれば:置かない・回収に切り替え、110番通報とサポート→店舗連絡を並行。受理番号・担当名・時刻をメモ。
- 記録の保全:伝票・アプリ画面・荷物配置・時刻を写真で記録(個人情報は最小限)。
- 返品・報告:指示に従い店舗へ返却。案件番号と記録をアプリから提出。自衛用に手元記録も保存。
📞 台本テンプレ(コピペ可)
インターホン:「配達員です。短時間に同じ住所へ複数配送が発生しています。安全確認のため置き配を一時保留しています。ご注文にお心当たりはありますか?」
110番:「集合住宅で、住人が未注文の荷物が短時間に複数届いています。不正利用の疑いがあるため、受理番号の発行と対応のご指示をお願いします。」
“急がば回れ”——それはね、現場では“疑えば確かめろ”ってことなんだ。
お客さん(被害者)がやること
- カード会社に緊急停止(24h)。「連続の未注文が届いている」と伝える。
- 不正利用申告と再発行手続き。被害日時・業者名・金額のメモを共有。
- 被害届または受理番号の取得(警察)。
- メール転送設定・パスワード・2段階認証の総点検(使い回し停止)。
〈困ったら、ひとりで抱えない〉。止めて、知らせて、守り合う。これが町の防犯だ。
お店/プラットフォームの対応
- 疑義取引としてフラグ→決済精査・返金フロー。
- 同住所・短時間の連続注文に対し、本人確認・受取サインなどリスク軽減を適用。
- 配達員からの現場情報(写真・時刻・通話ログ)を保全。
配達員・店舗・サポート——三者の連携は鎖だ。一本でも切れれば、重みは地面に落ちる。
類似事例と参考資料
- カードの“テスト注文”:盗難カード情報を少額決済で試し、通るカードを特定してから高額購入に移る手口。 Stripe解説/ Stripe公式ドキュメント
- 第三者住所×置き配の悪用:配送先を“善意の第三者”に設定し、置き配で対面確認を回避する。 置き配悪用の流れ(解説1)/ 置き配悪用の流れ(解説2)
- 住所・名義の不一致など不正の兆候:番地欠落、注文者住所と配送先の乖離などECで実際に観測されたパターン。 不正注文の傾向まとめ
- 嫌がらせ/大量注文→偽計業務妨害:飲食店への大量予約放置で逮捕例。 広島の逮捕報道/ 弁護士による法的整理/ 偽計業務妨害の解説
※具体的な判断・介入はプラットフォーム規約と警察の指示に従うこと。
予防とチェックリスト
- 置き配であっても、大量・高頻度・名義不一致はサポート確認。
- 受け人が「頼んでいない」と言う場合は置かない・回収へ転換。
- 夜間・人気の少ない場所は単独で粘らない。明るい場所で対応。
“備えあれば憂いなし”。備えってのはね、次の一手を決めておく心のことだよ。
よくある質問
置き配指示でも置いていい?
未注文を名乗る住人がいる/不正の疑いが濃いときは置かない。サポート・店舗の指示に従い回収へ。
商品はどうなる?
原則は店舗返却→事業者判断。勝手な廃棄・譲渡は避ける。
警察は来てくれる?
状況によりパトロール・事情聴取あり。受理番号や担当名をメモしておくと後続がスムーズ。
🧩本日のミニクイズ(配達戦術・上級)
- 同住所に20分で3件の置き配依頼。住人は未注文と主張。最適な初動は?
- 証跡として望ましいのは?
- お客さんへの最優先アドバイスは?