
結論(3行):
① “自転車の業務利用”は個人賠償責任保険(個賠)の対象外になる場合がある。
② 配達等の事業活動は、事業用賠償(施設・業務・生産物など)を前提に検討。
③ 加入前は補償範囲・上限・示談交渉・免責を表で確認し、用途(配達)を明示して問い合わせる。
1. まず用語をそろえる(超要約)
個人賠償責任保険(個賠)
- 日常生活の偶然事故に起因する賠償をカバー。
- 通勤/買い物など“私用”が中心。業務は対象外となる商品設計が一般的。
事業用賠償
- 業務遂行中の賠償(対人・対物)を想定した補償。
- 名称例:施設賠償、業務賠償、受託者賠償、請負業者賠償など。
配達で注意する周辺語
- 示談交渉サービス:相手方との交渉を保険会社が代行するか。
- 対物上限:高額物損(車・門扉・ガラス等)に備える十分な額か。
- 免責/自己負担:1事故あたりの自己負担金有無。
- 業務/事業の定義:配達が該当するか明文化されているか。
※ 各名称・範囲は商品により異なる。最終判断は約款・重要事項説明書・公式解説で。
2. よくある勘違い(先に潰す)
- 「個賠に入っているから配達でも大丈夫」→ 商品によっては対象外になり得る。
- 「通勤扱いにできる」→ 配達で報酬を得ていれば業務として扱われるのが通例。
- 「相手が軽傷だから示談不要」→ 軽微でも後から治療費等で長期化することがある。
3. 業務で自転車を使う“最低ライン”の観点
| 観点 | 見るべき箇所 | 実務コメント |
|---|---|---|
| 補償対象 | 「業務」「事業」中の対人・対物が含まれるか | 配達行為そのものが対象かを明記で確認。 |
| 示談交渉 | 示談代行の有無・条件 | 有り推奨。交渉負担とリスク軽減に直結。 |
| 支払限度額 | 対人/対物の各上限 | 対物は車両・建物破損を想定し高めに。 |
| 免責金額 | 自己負担の有無/金額 | 小口事故の自己負担に注意。 |
| 適用地域 | 国内/国外の範囲 | 国内限定の商品が多い。遠征配達は要確認。 |
4. 30秒フローチャート(自分の状況を判定)
【自転車×配達の補償確認】 収益活動(報酬を得る)ですか? → はい → 個人賠償だけ? → はい → 事業用賠償の加入可否を保険会社に照会 → いいえ(事業用あり) → 対人/対物上限、示談、免責、適用地域を再確認 → 返答が曖昧 → 約款/重要事項説明書の該当条項と解釈を書面でもらう
5. 問い合わせテンプレ(コピペ可)
件名:自転車による配達業務の賠償補償について いつもお世話になっております。以下の条件で適用可否をご教示ください。 1) 用途:フードデリバリー(自転車・個人事業) 2) 走行範囲:◯◯市内 3) 知りたい点: - 業務(事業)中の対人・対物は補償対象ですか - 示談交渉サービスの有無 - 対人/対物の支払限度額と免責 - 適用除外となるケース(例:信号無視等の重大違反) - 加入・特約の追加でカバーできる範囲 以上、文書での回答をお願いできますでしょうか。
6. 事故直後の“型”(迷ったらこの順)
- 安全確保:二次事故回避(車道→歩道/自転車は脇へ)。
- 通報:必要に応じ110/119。軽微でも当事者で判断しない。
- 記録:日時・場所・相手連絡先・現場写真(個人情報に配慮)。
- 連絡:所属プラットフォームのサポート→保険会社。
- 診察:違和感があれば早めに受診(後日悪化の防止)。
7. まとめ(要点3)
- 配達のような業務利用は、個賠とは別の補償を検討する前提で動く。
- 加入前に約款の該当条項を確認・保管。示談交渉・上限・免責を必ず比較。
- 不明点は書面回答をもらう。条件変更や例外の把握に役立つ。
※ 本記事は一般的整理です。最新の制度・商品仕様は自治体や保険会社の公式情報をご確認ください。
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