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6月、住民税の封筒が来る。フリーランスに届く「去年の自分からの請求書」

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住民税の納税通知書を手にして驚く男性と、「6月、住民税の封筒が来る」「去年の自分からの請求書」という文字を大きく配置した、フリーランス向け税金コラムのサムネイル画像。

6月である。

梅雨。
湿気。
洗濯物が乾かない。
原付のシートがじっとりする。
そして、ポストに入っている。

そう。

住民税の封筒。

あれはもう、行政から届く季節の便りではない。

個人事業主にとっては、ほぼ赤紙である。

いや、言いすぎた。
徴兵はされない。

でも、財布は前線に送られる。

国が突然なにかをやらかすわけではない

6月になると、なんとなくこう思う。

「また国が何か取ってくるんじゃないか」

こっちはもう、物価高、ガソリン代、保険料、スマホ代、家賃、謎に高い卵、全部に囲まれている。

人生が常時タワーディフェンスである。

右から電気代。
左から食費。
奥から国保。
足元から歯医者。

そして6月、上空から住民税が降ってくる。

とはいえ、これは突然の新イベントではない。

フリーランスや個人事業主の場合、住民税は前年の所得をもとに計算される。横浜市の場合も、事業所得者などの個人市民税・県民税は、区役所から6月初旬に送られる税額決定・納税通知書で、6月・8月・10月・翌年1月の4回に分けて納める形になっている。(横浜市役所)

つまり、6月に来るのは「今年の罰」ではない。

去年の自分からの請求書である。

去年の自分。
お前、何をした。

封筒を開ける瞬間だけ、全員が税理士の顔になる

住民税の通知が届いた瞬間、人は二種類に分かれる。

すぐ開ける人。
数日寝かせる人。

僕は後者の気持ちがわかる。

あの封筒、冷蔵庫に入れたら金額が下がるんじゃないかと思う。
熟成肉みたいに。

でも、下がらない。

むしろ開けない間も、心の中で勝手に増える。

「もしかして高いんじゃないか」
「いや、去年そんなに稼いでないだろ」
「でも経費、ちゃんと入れたよな」
「青色申告、信じてるぞ」
「会計ソフト、お前だけが頼りだ」

そして開封。

ここで一瞬、フリーランスは全員、大学教授みたいな顔になる。

通知書を斜めから見たり、裏返したり、納付書を並べたりする。

でも本音はひとつ。

で、いくら払うの?

6月30日という月末ボス

横浜市の令和8年度市税納期カレンダーでは、個人市民税・県民税・森林環境税の普通徴収第1期分の納期限は、2026年6月30日火曜日になっている。(横浜市役所)

6月30日。

月末である。

月末というだけで、すでに財布は不機嫌だ。

家賃。
通信費。
光熱費。
カード。
保険。
食費。
そして住民税。

このメンバーで円卓会議を開かれたら、こちらの生活費など即日更地である。

フリーランスの怖いところは、会社員みたいに毎月の給料から少しずつ天引きされる感覚ではなく、通知と納付書でドンと来るところだ。

もちろん制度としては分割されている。

でも、心理的にはこうである。

「今年も来たな、年貢」

江戸か。
令和なのに江戸なのか。

所得税が少し変わっても、住民税の封筒は普通に来る

最近は「年収の壁」だの「基礎控除」だの、税制改正の話がニュースに出る。

所得税については、令和7年度税制改正で基礎控除や給与所得控除の見直し、特定親族特別控除の創設などが行われ、原則として令和7年分以後の所得税に適用されると国税庁が案内している。(国税庁)

なるほど。

手取りが増える方向の話は、ありがたい。

ありがたいのだが。

住民税の封筒を見た時の感想は、だいたいこうなる。

「あれ? 思ったより楽になってなくない?」

ここがいやらしい。

所得税と住民税は別物である。

自治体の案内でも、所得税では基礎控除の見直しがある一方、住民税の基礎控除には変更がないと説明されている。(東久留米市公式サイト)

つまり、ニュースで「負担軽減!」みたいな言葉を見ても、6月の通知書はかなり淡々としている。

行政文書は優しい顔をしない。

「去年の所得をもとに計算しました」
「納期限までに納めてください」

それだけである。

そこに情緒はない。

こちらは情緒まみれなのに。

フリーランスにとって6月は「去年の答え合わせ」

住民税の通知が怖いのは、単にお金が出ていくからではない。

去年の働き方が、今年の生活に殴りかかってくるからだ。

去年ちょっと売上が良かった。
でも今年はそうでもない。

このパターンが一番きつい。

去年の自分は元気だった。
今年の自分は歯が痛い。
肩も痛い。
原付もそろそろオイル交換。
なのに税金だけは、去年のテンションで来る。

やめてくれ。

今の僕を見てくれ。

去年の僕は別人だ。
あいつはもう退職した。

でも、税金の世界では退職していない。

去年の所得は、今年の請求書になる。

このタイムラグが、フリーランス家計の恐ろしいところだ。

6月にやることは、精神論ではなく封筒の確認

ここで大事なのは、気合いではない。

「よし、頑張って稼ぐぞ!」
これも大事だが、その前にやることがある。

封筒を開ける。
金額を見る。
第1期の納期限を見る。
4期分の全体額を見る。
払える月と重い月を確認する。

これだけでいい。

いきなり人生を反省しなくていい。

通知書を見て、
「俺はダメだ」
みたいな方向に行く必要はない。

それは税金ではなく、メンタルの闇金である。

住民税は人格評価ではない。

ただの計算結果だ。

いや、ただの計算結果にしては殺傷能力が高いけど。

まとめ:6月は政府イベントではなく、封筒イベント

6月に特別な増税イベントがあるわけではない。

でも、フリーランスや個人事業主にとっては、住民税の通知が届く。

これが普通に重い。

しかも、派手なニュースにならない。

なぜなら毎年恒例だから。

毎年恒例だからといって、家計に優しいわけではない。

毎年恒例のボディブローである。

だから6月は、こう覚えておく。

国が突然やらかす月ではない。
去年の自分が、今年の財布に請求してくる月である。

封筒は開けよう。

開けないと、心の中で増えるから。

編集後記

住民税の通知って、なんであんなに空気が重いんでしょうね。

請求書としては普通なんだけど、こっちからすると「去年の自分の成績表」みたいな顔をして届く。

フリーランスは、稼いだ時も自分。
払う時も自分。
逃げ場がない。

だからこそ、税金を見て落ち込むというより、生活防衛のスケジュールに組み込むしかないんだと思います。

6月は梅雨だけでも面倒なのに、ポストからも湿った現実が来る。

まったく、令和の庶民生活、イベントが多すぎる。