
「ジムに通う」という言葉には、どうも重たさがある。
目標を立てて、ストイックに汗を流し、自分を追い込む。そういう「本気」の空間に、稼働終わりのボロボロの体で乗り込む気力は、今の僕にはない。
配達終わりは、とにかく誰とも話したくない。
常に気を張り、人と接し、街を走り回った後は、ただただ静かな空間に逃げ込みたくなる。
そんな僕にとって、最近ちょうどよかったのが、深夜のチョコザップだった。
目的は、ガッツリ鍛えることじゃない。
誰もいない夜中のフロアにふらっと立ち寄って、少しだけマシンを触る。あるいは、マッサージチェアに沈み込んで、その日の疲れを少しほどいて帰る。
ここは僕にとって「ジム」というより、路上と家の間にあるちょうどいい回復の中継点として機能している。
誰もいない、誰にも見られない。深夜23時の無人空間がありがたい
僕が行くなら、たぶん夜か夜中だ。
昼間のジムが嫌いというより、人が多い空間そのものがしんどい。
配達の仕事は、一人でやっているようでいて、実はずっと神経を使っている。
店でも、お客さんでも、道路でも、常にどこかに気を配っている。だから稼働が終わった後くらい、誰の目も気にしない時間が欲しくなる。
実際に深夜のチョコザップへ行ってみると、本当に誰もいないか、いても一人くらいだった。
この距離感がすごくいい。スタッフに話しかけられるわけでもないし、常連グループがいるわけでもない。変な緊張がない。
「今日はちゃんと鍛えなきゃ」みたいな空気も薄い。
ただ静かで、ちょっと明るくて、機械が置いてある。僕みたいに、仕事終わりに人と会いたくない人間にとっては、その無人感がかなりありがたい。
鍛えるというより、一回リセットする場所だった
チョコザップに対して、最初は「軽く筋トレする場所」くらいのイメージしかなかった。
でも実際に使ってみると、僕の感覚は少し違った。
昨日はジム。今日はマッサージチェア。
そんなふうに、その日の疲れ方に合わせて使い分けられるのがちょうどいい。
今日は少し体を動かしたい日もあれば、今日は何もしたくない日もある。
そういう気分のブレごと受け止めてくれる感じがある。
ここが本格的なトレーニングジムだったら、たぶん僕は続かない。
「毎回しっかりやらなきゃ」という圧がある場所は、仕事終わりの体にはちょっと重い。
でもチョコザップは、そこまで気負わなくていい。
今日は数分だけマシンに触って帰る。今日はマッサージチェアだけで終わる。そういう自分勝手な使い方でも、あまり罪悪感がない。
それが、思っていた以上に助かっている。
配達の途中でも寄れる。この「中継地点感」が妙に合う
使ってみて分かったのは、チョコザップは「さあ行くぞ」と家から出発する場所ではなく、稼働導線の途中に差し込める場所だということだ。
これがかなり大きい。
家を出る前から「今日はジムに行く」と気合いを入れるのは、正直しんどい。
でも配達の途中や帰り道に、「少し寄るか」くらいなら動ける。
実際、稼働の途中で立ち寄って、マッサージチェアに数分座るだけでも、少し体がゆるむ感じがある。
もちろん、何かを治すとか、劇的に変わるとか、そういう話ではない。けれど、張りつめた感じを一回ほどいて、次に向かうためのワンクッションとしてはかなり優秀だと思った。
配達員みたいに、移動しながら働く人間にとっては、この「ちょい寄り」ができること自体に価値がある。
気合いで通う場所ではなく、生活の導線に自然に入り込んでくる場所。そこがハマった。
家に帰る前に一回挟むだけで、夜の流れが少し整う
配達からそのまま家に帰ると、疲れすぎて動きが止まることがある。
着いた瞬間に一気に力が抜けて、そのままダラッとしてしまう。風呂も後回し。気づけば寝るだけ、みたいな日もある。
でも帰る前にチョコザップを一回挟むと、少しだけ流れが変わる。
マッサージチェアに座る。軽く体を動かす。深夜の静かな空間で数分過ごす。
それだけなのに、家に帰ってからのモードが少し切り替わる。
そのまま風呂に入って寝る流れが作りやすい。
この「家に帰る前のワンクッション」としての機能は、思ったより大きかった。
立派な筋肉を手に入れることは、たぶんこの先もないと思う。
でも、誰にも干渉されない深夜の静かな空間で、ただ身体をほぐし、張りつめた糸を少しゆるめる。そういう場所があるだけで、毎日の配達生活は少し助かる。
編集後記
チョコザップを使ってみて思ったのは、僕に必要だったのは「気合いの入るジム」ではなく、「少し整えて帰れる場所」だったということだ。
筋トレを頑張る日があってもいい。でも、毎日それを求められると続かない。
昨日はジム、今日はマッサージチェア。そのくらいのゆるさのほうが、今の生活には合っている。
特に配達みたいな仕事をしていると、身体の疲れだけじゃなく、人と接し続けたあとの妙な消耗もある。
だから深夜の無人に近い空間で、誰にも話しかけられず、少しだけ回復して帰れる場所があるのは大きい。
たぶん僕はこれからも、「ジム通いしてます」という感じではなく、深夜の帰り道にふらっと吸い込まれていくと思う。
それくらいが、ちょうどいい。