2026年版|自転車の歩道走行は「禁止」にならない:条件・例外・青切符の注意点まとめ

歩道は「禁止」にならない|2026年4月以降の自転車の歩道走行ルール完全ガイド(条件・例外・青切符の対象)

 

2026年4月以降も条件付きで歩道通行が認められる自転車ルールの解説サムネイル

2026年4月1日から青切符反則金)が自転車にも適用。歩道は条件付きで通行可という原則は変わりません(歩行者最優先・徐行・妨げるときは一時停止)。根拠:警察庁道路交通法 第63条の4 抜粋PDF

SNSで「来年から歩道は自転車禁止」という投稿を見かけますが、誤解です。
2026年の改正の柱は、①青切符(交通反則通告制度)の適用、②自動車が自転車を右側通過する際の“間隔に応じた安全な速度”義務の新設など。歩道通行の“条件付きOK”は維持され、むしろ徐行・歩行者優先の徹底違反時の青切符で実効性が上がるイメージです。本文で、法条文ベースで「どこまでOK/どこからNG」を丁寧に解説します。


1. 3行で要点(ここだけ読めば誤解しない)

  • 歩道は原則×例外:車道左側通行が原則。ただし3つの条件なら歩道OK(後述)。
  • 通行時の義務:歩道では歩行者最優先・徐行・妨げるときは一時停止、通行位置は中央から車道寄り(指定部分があればそこ)。
  • 2026年の変化:ルール自体は踏襲。違反は青切符反則金(例:歩道徐行等義務違反 3,000円)。

2. なぜ「禁止」だと誤解される?(2026年改正の本質)

2026年改正は、軽微違反を簡易・迅速に処理する青切符の自転車適用が軸です。歩道に関しては、従来からの「原則×例外」の枠組みが続きます。
ただし、歩行者優先・徐行を守らないケース(妨害やぶつかりそうな走行)は、これまで以上に反則処理されやすくなります。つまり「禁止」ではなく、守るべき要件が“ちゃんと効く”方向へ強化された、と理解してください。

3. 法条文で確認「歩道OKの3条件」

道路交通法第63条の4(普通自転車の歩道通行)に、歩道通行が認められる3つのケースが明記されています。

  1. 標識・表示で許可(「普通自転車歩道通行可」等の標識・指定部分がある)
  2. 運転者が子ども・高齢者・身体の不自由な人政令で定める者)
  3. やむを得ない危険回避(車道や交通の状況から見て歩道通行がやむを得ない)

さらに同条2項で、通行位置は「中央から車道寄り」(指定部分があればそこ)、徐行、歩行者の通行を妨げるときは一時停止が義務化。警察官が歩行者の安全確保のため通行禁止を指示したら従う必要があります。条文は本文末の出典リンクから原文を確認できます。

4. 「徐行」とは何km/h?(数値でなく“止まれる速度”)

「徐行」は法律上、直ちに停止できるような速度を意味する概念で、数値の上限は示されていません。
実務感覚としては、人が多い歩道や学校周辺では歩行速度(時速4〜6km/h程度)まで落とすのが安全。人がいない区間でも、いつでも徐行に移れる低速が前提です(指定部分で歩行者がいないときのみ、すぐ徐行に移れる速度で進行可)。

5. 歩道を走るときの「正しい型」5ステップ

  1. 入る前に理由を確認:標識/子ども・高齢者・障害者/危険回避のいずれか? なければ車道へ。
  2. 通行位置:原則は中央から車道寄り普通自転車通行指定部分があれば必ずそこ。
  3. スピード:徐行が基本。人が見えたらさらに減速、交差点・出入口では一時停止も。
  4. 優先関係:歩行者が最優先。進路を塞ぐようなら止まる→譲る→再発進
  5. ベルの扱い:むやみに鳴らさない(危険防止の必要があるときに限る)。声掛け+停止が基本。

6. 「ここはOK?NG?」ケース別Q&A

Q1. 「普通自転車歩道通行可」の標識がある歩道は?

A. OK。ただし徐行・歩行者最優先、指定部分があればそこを通行。人がいないときでも、すぐ徐行に移れる速度で。

Q2. 子ども(小学生)が保護者と一緒に走るときは?

A. 子どもはOK政令で定める者)。保護者の大人は原則車道だが、やむを得ない危険回避に当たる場面では歩道を並走しない押して歩く判断を。

Q3. 朝の幹線道路で車の流れが速く怖いので歩道へ。これは「危険回避」?

A. ケースによりOK。見通しが悪い/車の速度差が大きい等で危険なら歩道へ退避は合理的。ただし歩道に入った瞬間から歩行者最優先・徐行

Q4. 商店街の混雑歩道。ベルでどいてもらって進むのは?

A. NG。歩行者が最優先。止まる→押して歩く。ベルは危険回避の必要があるときだけ

Q5. 指定部分(青い自転車マークのレーン)があるのに歩道の別の場所を走ると?

A. NG寄り。指定部分があればそこを通行が原則。人の滞留や工事等で難しいときは降りて押す

7. 2026年以降の「青切符」対象(歩道関連)

歩道関連の主な反則(代表例)と反則金の目安です。いずれも16歳以上が対象。
※金額は代表例。最新・正式は各警察の最新資料を確認してください。

  • 歩道徐行等義務違反:3,000円(歩行者最優先・徐行・妨げるときは一時停止の義務違反)
  • 横断歩行者等妨害等:6,000円(横断歩道での歩行者妨害 等)
  • 通行区分違反:6,000円(本来は車道左側通行が原則なのに、漫然と歩道へ等)

反則金任意納付で終結。不服で争う選択をすれば刑事手続に移るルートです。

自転車の歩道関連の主な反則金:歩道徐行等義務違反3,000円、横断歩行者等妨害等6,000円、通行区分違反6,000円
金額は代表例。正式表は警察庁「自転車(軽車両)の反則行為と反則金の額」で最新を確認。

8. 2026年改正で変わる“周辺”ルール(歩道理解にも効く)

  • 青切符の適用:自転車の定型的違反に反則金で簡易処理。現場は「まず指導・警告」、悪質・危険な場合に反則処理。
  • 自動車側の新義務:自転車の右側通過時、間隔が不十分なら間隔に応じた安全な速度で進行。自転車はできる限り左側端へ。

9. よくある誤解と正解(神話崩し)

  1. 「来年から歩道は全面禁止」→誤り
    条文上の3条件は維持。違反時の反則処理が明確になるだけ。
  2. 「歩道ならどこでも安全」→誤り
    出会い頭・通行人の飛び出し等のリスクは高い。徐行+一時停止で“歩く速度”が基本。
  3. 「ベルで除けてもらえばよい」→誤り
    歩行者が最優先。停止→譲る→再発進の順序を徹底。
  4. 「指定部分が狭い/混んでいるから外れてOK」→原則NG
    指定があるならそこ。通れなければ降りて押す

10. 生活シーン別の実践プロトコル

通勤・通学

  • 朝の幹線で怖ければ歩道へ退避は選択肢(危険回避)。ただし人が増える区間歩行速度に。
  • 学校・駅前は交差点や出入口が多い。一時停止の積極活用接触ゼロに。

買い物・子連れ

  • ベビーカーやお年寄りに近づいたらいったん停止→目が合ってから再発進。
  • 子どもは歩道OKだが、自転車の並走は避ける・必要なら押して歩く

雨・夜間

  • ブレーキ距離が伸びるので、晴天時よりさらに遅く。夜はライト点灯(点滅のみは避ける)。

11. チェックリスト(保存推奨)

  • □ 歩道は3条件のときだけ入る
  • □ 歩道に入ったら徐行+歩行者最優先
  • □ 妨げるときは一時停止、指定部分があれば必ずそこ
  • □ 迷ったら降りて押す
  • □ 違反は青切符(任意納付で終結/不納付は刑事)

公式出典(リンク集)

注:本記事は公式一次情報をベースに一般向けへ再構成した解説です。反則金や運用は地域・事案で異なり得ます。最終判断は各都道府県警等の最新告知をご確認ください。