実務プレイブック
仕事で“簡単に裏切る人”の見抜き方と、裏切られにくい仕組みの作り方
「裏切りやすさ」は 性格 × 状況 × 仕組み の掛け算。
個人を断定せず、兆候で早期検知し、構造で予防する——この順序でいきます。
目次
1. 早期サイン（行動のクセ）
- 🎭 帰属の切替が速い：有利な側に瞬時に乗り換え、発言が日替わり。
- 🗣️ 他者の秘密を平然と話す：「ここだけの話」が口ぐせ（＝自分の秘密も流す）。
- 📜 合意を文書化しない/嫌がる：証跡を残さず後で解釈を変える。
- 🧮 利得最優先で整合性がない：短期インセンティブのみに反応。
- 🧩 責任の所在を曖昧化：「聞いてない」「決裁じゃない」を連発。
- ⏱️ 締切直前の手のひら返し：土壇場で条件変更し交渉力を稼ぐ。
- 🧯 小さな約束破りの累積：返信遅延・軽いドタキャンなど“微裏切り”が続く。
- 🧪 試し行動：境界線を小さく突破して反応を見る（守秘・ルール軽視）。
- 🧍 孤立と二面性：上と外には愛想、同僚・下には冷淡。
- 🧾 手柄の帰属操作：成果は自分、失敗は環境/他人のせい。
2. 裏切りを誘発する「状況」
短期偏重の報酬
長期コミットが設計されていないと、短期利得で判断が揺らぐ。
役割と責任の曖昧さ
重複と空白があると、責任転嫁の余地が増える。
不透明な評価
噂・情緒で決まる環境は、迎合・派閥化を招く。
独占知と権限集中
個人に情報・鍵が集中すると、人質化が起こる。
3. 面談での“見抜き質問”（実務例）
- 「前職で守秘が難しかった場面と、どう守りましたか？」
- 「自分のミスをどう共有し、再発防止しましたか？」
- 「功績のクレジット配分は何で決めますか？」
- 「締切前の仕様変更。どのように合意形成しますか？」
- 「利益相反が起きた場合の対処は？」
赤信号の答え例： 具体例が出ない／他責型／文書化を嫌う。
青信号の答え例： 事実→対処→再発防止→記録 まで一貫して語れる。
青信号の答え例： 事実→対処→再発防止→記録 まで一貫して語れる。
4. 予防の仕組み（裏切り“にくい”土台）
- ✍️ 合意は短文化＋既定フォーマット（目的・役割・期日・品質・変更手順・守秘）。
- 🔐 最小権限＆アクセス分割（共有ID禁止・ログ自動）。
- ⚖️ 報酬は短期＋長期の二階建て（納品＋運用安定ボーナス）。
- 🧱 変更はチケット化（口頭変更NG、履歴で一元管理）。
- 🔁 バイタルの二重化（コード・口座・契約窓口の単独依存を作らない）。
- 🧭 期待値の数値化（SLA／完了定義DoD）。
5. 早期介入フレーズ（境界線の提示）
- 「この件は書面ベースで進めます。更新はチケットに統合します。」
- 「成果物の帰属と公開範囲をここに明記します。以後はこの通りに。」
- 「締切直前の条件変更は次スプリント適用に切替えます。」
6. ダメージ最小の運用
- 重要データは日次バックアップ＋監査ログ。
- 引継ぎテンプレ（権限棚卸し・機密チェックリスト）。
- 契約解消時はチェックアウト手順（資産返却・アカウント無効化・NDA再確認）。
7. 自分側の盲点
好意／借り／同郷などの心理的契約でルールを緩めない。
「例外運用」は一度きりの記録を残し、恒常化させない。
「例外運用」は一度きりの記録を残し、恒常化させない。
8. 即使える雛形 3点セット
① 面談質問票（コピペ用）
② 合意テンプレ（目的・役割・期日・品質・変更・守秘）
③ 権限棚卸し表（配布・回収チェック用）
9. 編集後記
裏切りは「性悪説」ではなく「設計の不備」で減らせます。人を見る前に、仕組みを整える。殿の現場でも、書面化・最小権限・チケット化の三点だけで事故率は大きく下がるはず。次は、この合意テンプレをGoogleドライブやNotionの雛形にして全案件で回す提案を考えています。
🧩本日のミニゲーム／理解度チェック・クイズ（上級）
本文に基づく5問。全問正解で“境界線マスター”。
