デリバリー地政学#03|出前館編:8期連続赤字でも撤退しない理由

 

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デリバリー地政学#03|出前館という「総本山」— 8期連続赤字でも撤退しない理由

ロケットナウ編では「外様大名」、Uber編では「帝国本隊」を見てきました。
第3回は、日本ローカルの「総本山」=出前館です。
2025年8月期まで8期連続の最終赤字。にもかかわらず、2025年秋からは「お店価格で出前館」という、むしろ利益を削るように見える価格施策を打ち込みました。
「そこまでして何を取りに行っているのか?」
「なぜ撤退ではなく、あえて“勝負をかけ直す”のか?」
決算・中期計画・LINEヤフー経済圏との関係をベースに、出前館が見ている“勝ち筋”を地政学的に整理していきます。


目次

  1. 出前館は何者か — 「日本最大級ポータル」の現在地
  2. 8期連続赤字でも撤退しない理由 — PLの裏側と親会社ライン
  3. 「お店価格で出前館」という価格破壊 — なぜさらに削るのか
  4. LINEヤフー経済圏との接続 — LYPプレミアムと生活インフラ構想
  5. Uber/ロケットナウとの違い — 「価格」より「面と関係性」で戦う
  6. 配達員・注文者にとっての出前館 — どう付き合うか
  7. まとめ — 出前館視点の“勝ち”と、次に見るべきmenu編

1. 出前館は何者か — 「日本最大級ポータル」の現在地

1-1. 10万店舗超を束ねる老舗ポータル

出前館は、インターネット黎明期から続く日本最大級のフードデリバリーポータルです。
ピザ・寿司・カレー・中華・弁当から、パーティ・ケータリング・酒類まで、全国10万店舗以上の飲食店を束ねていると言われます。

Uberやロケットナウが「アプリで完結する配達OS」寄りなのに対して、出前館は長らく「ウェブ+電話も視野に入れた“出前の入口”」として機能してきました。
ここ数年でアプリ比重は高まりましたが、「街の出前と出前館が一体化している」感覚は、地方や郊外ほど強いはずです。

1-2. 8期連続赤字という現実

一方で、決算の数字を見ると、きれいごとだけでは済まない現実があります。
2025年8月期の決算では、

  • 売上高:約397億円(前期比で約2割減)
  • 営業損失:約49億円規模
  • 親会社株主に帰属する当期純損失:約50億円の最終赤字

となり、2026年8月期の会社予想でも最終赤字が続く=8期連続赤字という見通しになりました。
コスト削減で赤字額は徐々に縮小しつつも、「黒字化まではもう一歩届かない」状態が続いているわけです。

1-3. それでも「看板を降ろさない」理由

ここで素朴な疑問が出ます。
「そんなに赤字が続いているのに、なぜ撤退しないの?」
「縮小して、もっと細く長くやる道もあるのでは?」
しかし、出前館はむしろ逆方向に舵を切りました。

2025年秋の決算資料では、2026年8月期を「再成長フェーズ」と位置づけ、

  • フードデリバリー市場の再成長
  • 市場No.1ポジションの奪還
  • トップラインの2桁成長と、ボトムライン(利益)の改善

を掲げています。
つまり、数字だけ見ればギリギリなのに、戦略としては「もう一回伸ばしに行く」選択をしている、というのが現在地です。


2. 8期連続赤字でも撤退しない理由 — PLの裏側と親会社ライン

2-1. 2025年8月期のざっくりPLイメージ

決算短信の説明を、現場目線でざっくり言い換えると、こうなります。

  • 売上:コロナ禍ピーク時よりは落ち着き、需要も「選別消費」に入っている
  • 広告・クーポン:かつてのような大盤振る舞いは減っているが、競争環境的にまだ打たざるを得ない
  • 固定費:物流拠点や人員の圧縮で、少しずつスリム化は進んでいる

その結果、「売上は減ったが、赤字幅も少しずつ縮めている」という状態です。
一時期の「年間200億円超の大赤字」から見れば、明らかに“持続可能なレンジ”には近づいてきています。

2-2. 過去最大赤字からの「再成長フェーズ」へ

出前館は2022年前後に、過去最大クラスの赤字(約250億円規模)を計上しました。
その背景には、

  • Uber・menu・Wolt とのクーポン競争
  • シェアリングデリバリーの全国拡大に伴う投資
  • LINEとの資本業務提携による「攻めのフェーズ」

があり、あえて「短期で燃やして、一気にシェアを取りに行った」時期があります。

そこから数年かけて、コスト削減と事業整理で「どうにか持ちこたえた」のが2023〜2024年。
そして2025年の決算説明資料では、はっきりと

「再成長フェーズで、市場No.1ポジションの奪還と継続的な利益創出を実現する」

と宣言しており、単なる撤退戦ではなく「もう一度伸びに行く」中期シナリオが描かれています。

2-3. LINEヤフー傘下の「総本山」としての位置づけ

ここで効いてくるのが、親会社ラインです。
出前館は現在、LINEヤフー(旧Zホールディングス/LY Corporation)グループの一員であり、

といった巨大なトラフィック源とポイント経済圏を背負っています。

親会社から見れば、出前館は単なる子会社ではなく、

  • 「街の飲食・小売とLY経済圏をつなぐゲートウェイ
  • 「オンラインとオフラインの決済・ポイントをつなぐ実験場」

という「ローカル総本山」の役割を期待されているはずです。
だからこそ、8期連続赤字でも即撤退ではなく、「再成長フェーズ」という名の再チャレンジが許されている、と見ることができます。


3. 「お店価格で出前館」という価格破壊 — なぜさらに削るのか

3-1. サービス料ゼロ+お店価格=「価格の壁を壊す」

2025年秋、出前館が打ち出したのが「お店価格で出前館という施策です。
全国5都市の対象店舗から始まり、11月には東京都内の港区・新宿区・渋谷区でも本格トライアルが始まりました。

条件はシンプルで、

  • 商品価格:店頭と同じ「お店価格」
  • 料金体系:商品代金+送料のみ(サービス料ゼロ)
  • 対象店舗:趣旨に賛同した地元店+大手チェーン、合計700〜760店舗規模

というもの。
出前館はもともと「商品代+送料」のシンプルな料金体系でしたが、ここからさらに「店頭価格との差」をほぼ消しにいった形です。

3-2. なぜ、赤字の中でさらに価格を下げるのか

赤字の会社が、さらに価格を下げる。
一見すると自殺行為に見えますが、出前館の決算説明資料や広報の言葉をつなぐと、狙いは次のように整理できます。

  • 「高いから使わない」層を、とにかく一度動かす
  • 「たまに使う」層を、「日常的に使う」層へ引き上げる
  • 出前館=高いデリバリー」ではなく、「お店価格で頼める日常インフラ」というイメージに上書きする

つまり、短期的な利益率よりも、利用頻度と習慣化(LTV)を優先する賭けです。

3-3. 短期赤字 vs 中長期LTVの賭け

この賭けは、次のような前提がないと成立しません。

  • 「お店価格」で利用が日常化すれば、クーポンを撒かなくても自然に注文が入る状態を作れる
  • 店舗数と注文数が増えれば、配達網の効率が上がり、1件あたりのコストを下げられる
  • LYPプレミアムなど、経済圏側の特典と連動させることで、グループ全体ではペイできる

逆に言えば、ここで頻度とシェアを取り損ねると、

  • 「値下げしたのに赤字だけ増えた」
  • Uberやロケットナウにユーザーを持っていかれた」

という、最悪のパターンになります。
だからこそ、この「お店価格で出前館」は出前館にとっての“最後の大勝負の一つ”と見ることもできます。


4. LINEヤフー経済圏との接続 — LYPプレミアムと生活インフラ構想

4-1. LYPプレミアムとのシナジー候補

ビジネス系メディアでは既に、「出前館の配送料無料を、LYPプレミアムの特典に組み込む案が検討されている」といった報道も出ています。
これは、ロケットナウがCoupang経済圏への入口であるのと同じように、

出前館はLY経済圏へのオフラインゲートとして使われる」

という構図です。

もしLYP会員に対して

などが恒常的に提供されれば、「デリバリー=出前館で頼む」のラインが、LYP会員の生活に定着しやすくなります。

4-2. 「ポータル」から「街の入口」へ

出前館のこれまでの役割は、どちらかといえば「出前のポータルサイト」でした。
しかし、LY経済圏と組み合わさることで、

  • 街の飲食店
  • 街のスーパー・ドラッグストア
  • オンラインのポイント・決済

をつなぐ「街の入口アプリ」になれる可能性があります。

出前館アプリを開けば、

  • 今日は何を食べるか
  • どの店に行くか(テイクアウト・クーポン)
  • どこでポイントを貯め・使うか

まで含めて提案できるようになる。
そうなると、単なる「出前アプリ」を超えて、生活インフラの一部として位置づけられます。

4-3. クーポン戦争から「導線の奪い合い」へ

Uber出前館・Wolt・menu・ロケットナウがやってきたクーポン戦争は、言ってしまえば「その一食のための奪い合い」でした。

しかし、経済圏と結びついた瞬間に、勝負は

  • 「この一食をどこで頼ませるか」から
  • 「この人の毎日の生活導線をどこが握るか」へ

シフトします。

出前館は、LY経済圏という巨大なバックを背負いながら、
「街の入口ポジションを押さえに行く」という、第二ラウンドに入っている最中だと捉えることができます。


5. Uber/ロケットナウとの違い — 「価格」より「面と関係性」で戦う

5-1. グローバル帝国 vs ローカル総本山

Uber編、ロケットナウ編と並べてみると、出前館の立ち位置はかなりはっきり見えてきます。

  • Uber世界規模の移動プラットフォーム。ライドシェアとデリバリーを統合する「帝国本隊」。
  • ロケットナウ:Coupang経済圏から来た外様大名。23区を前線基地に、一気に面を取りに来ている。
  • 出前館日本ローカルの総本山。LY経済圏と街の飲食をつなぐ“在郷大名”。

どれが絶対的に強い/弱いではなく、「どの旗のもとで、どんな面を押さえに行くか」の違いです。

5-2. 出前館の強み:地元店との関係と、日本語UI/サポート

出前館には、数字だけでは測りにくい強みもあります。

  • 長年の営業で積み上げた、地元の中小飲食店との関係
  • 電話注文からの移行に付き添ってきた“歴史”
  • 日本語UI・日本語サポートに特化したオペレーション

とくに、Uberやロケットナウに抵抗感があるけれど、出前館なら名前を知っている」という層は一定数います。
ここは、ローカル総本山ならではの強みです。

5-3. 弱み:プロダクト速度と資本力

もちろん弱みもあります。

  • アプリのUI・UX改善スピードは、Uberやロケットナウに比べるとどうしても重い
  • 資本力では、世界レベルのUberやCoupangと比べて不利
  • 8期連続赤字というプレッシャーの中で、大胆な投資をしづらい

そのギャップを埋めるための一手が、「お店価格で出前館」や、LYPプレミアムとの連動を含めた「経済圏シナジーでの戦い方」だと言えます。


6. 配達員・注文者にとっての出前館 — どう付き合うか

6-1. 配達員視点:第二・第三の柱としての出前館

配達員から見た出前館は、Uberほどの件数はないものの、

  • エストやインセンティブ条件によっては、時間帯限定で強い日がある
  • エリアによっては「地元店の出前=ほぼ出前館」という場所がある

という位置づけです。

ここからの現実的な戦い方は、

  • Uber/ロケットナウ/出前館/Wolt を組み合わせて「時給ベース」で比較する
  • 出前館が強いエリア・時間帯を見極めて、その時間だけ第二・第三の柱にする

という、ポートフォリオ的な稼ぎ方になります。

6-2. 注文者視点:「お店価格」と支払い手段のメリット

注文者から見ると、出前館を選ぶ理由はシンプルです。

  • 「お店価格で出前館」の対象店なら、店頭とほぼ同じ価格で頼める
  • サービス料ゼロ+分かりやすい送料体系
  • 携帯キャリア払いなど、支払い手段の選択肢が豊富

とくに、LYPプレミアムやキャリア決済を普段から使っている人にとっては、

  • 「ポイントが貯まる・使える」
  • 「いつものID・パスワードで決済できる」

という“摩擦の少なさ”が大きなメリットになります。

6-3. 「勝者なき競争」の中でのプレイヤー選び

出前館 vs Uber vs ロケットナウ vs Wolt …と見ていくと、正直なところ、

「誰かひとりの圧勝」という絵は描きづらい

というのが本音です。
タイトルにある“勝者なき競争”という言葉は、かなり現実に近づいています。

その中でユーザー側ができることは、

  • 配達員:プラットフォームを分散し、「時給ベースで勝てる組み合わせ」を探す
  • 注文者:経済圏(LYP/楽天Amazon/Coupang)との相性で、自分なりのメイン・サブを決める

という、「自分の地図を持つこと」です。
出前館は、その地図の中で「日本ローカルの総本山として、どこまで踏ん張れるか」を試されている段階にあります。


7. まとめ — 出前館視点の“勝ち”と、次に見るべきmenu編

7-1. 出前館が見ている「勝ち」の定義

最後に、この回で見えてきた出前館の「勝ち」の定義をまとめておきます。

  • 市場ポジション:フードデリバリー市場でのNo.1ポジション奪還(少なくとも、Uberと並ぶ存在感)
  • 利用頻度:「特別な日の出前」から、「お店価格で日常的に使うインフラ」へのシフト
  • 収益構造:クーポン依存から脱却し、「お店価格+送料」と経済圏シナジーで利益を出せる体制

そのために、8期連続赤字でも撤退せず、「お店価格で出前館」という最後の大勝負に出ている——。
それが、第3回の結論です。

7-2. 次に見るべきは「menu編」— 不思議なプレイヤーの正体

ロケットナウ(外様大名)、Uber(帝国本隊)、出前館(ローカル総本山)と見てきました。
次に見るべきは、menu編です。

「なぜあの条件で、まだ立っているのか?」
KDDI経済圏の中で、どんな役割を期待されているのか?」
「配達員・注文者から見たmenuの“居場所”はどこか?」
そこを掘っていくと、「赤字でも続けるデリバリー各社の本音」が、さらに立体的に見えてきます。

拡散を、止める #02|ドメインの見極め方(右端が本体/偽装10例・練習つき)

拡散を、止める #02 — ドメインの見極め方

右端が本体(eTLD+1)/よくある偽装5種/10問ドリルつき。※攻撃手順は扱いません。

実用講座原則:不審リンクは踏まない・公式導線へ自分から海外発信番号は「取らない・登録しない・応対しない」

拡散を、止める #02|ドメインの見極め方(左縦赤帯/盾アイコン/暗色グリッド、16:9 2048×1152)

まず2分:本体ドメインは「右端(eTLD+1)」

ドメインラベル.ラベル.トップレベル の階層。
本体登録できる最右の組eTLD+1)。例:

  • abc.bank.example.co.jp → 本体は example.co.jp
  • login.example.co.jp.payments.com → 本体は payments.com
  • yahoo.co.jpco.jp は特別) → 本体は yahoo.co.jp

右端にブランドが来ていない(例:brand.co.jp.evil.com)なら偽装濃厚

ドリル(10問)— 本体ドメインと判断のポイント

2. 本体は?(co.jpの例)

本体:example.co.jp

co.jp は特別なeTLD。example.co.jp が本体で、その左がサブ。

🖨️ A4|ドメイン見極め 早見表

手順(30秒)

  1. URLの右端を確認(eTLD+1:例 example.co.jp / payments.com)。
  2. ブランド名が右端の本体に入っていなければ離脱
  3. 短縮URL・IP表記・Punycodexn--)は要注意。公式導線へ。

NGの代表例

原則

  • 不審リンクは踏まない。公式アプリ/正規番号へ自分から確認。
  • 海外発信番号・国際SMSは取らない/登録しない/応対しない
教育目的(防御・初動・予防)。攻撃手順は扱いません。

デリバリー地政学#02|Uber Eatsという「帝国本隊」— 世界決算から見える日本の役割

黒いテクスチャ背景の中央に白と緑の「Uber Eats」ロゴが配置され、その下に白い横文字で「デリバリー地政学 #02|Uber Eatsという帝国本隊」とタイトルが並ぶシンプルなデジタルグラフィックのサムネイル。16:9 2048×1152

 


デリバリー地政学#02|Uber Eatsという「帝国本隊」— 世界決算から見える日本の役割

ロケットナウ編では、「なぜ赤字前提で殴り込むのか?」という話をしました。
では、そのロケットナウが正面からぶつかりにいっている相手、Uber Eats本隊はどんな状態なのか。
Uberって、世界ではもう黒字なの?」「デリバリーって本当に儲かってるの?」
そして、その中で日本市場はどういう役割を任されているのか
今回は、Uberの決算と世界戦略をベースに、Uber Eatsの「勝ち筋」と、日本ローカルの立ち位置を整理していきます。


目次

  1. Uber Eatsは「デリバリー帝国の本隊」— 世界決算から見る現在地
  2. Uberの勝ち筋①:マルチカテゴリOSになる
  3. Uberの勝ち筋②:サブスク(Uber One)で“囲い込む”
  4. Uberにとって「日本」はどんな前線か
  5. 配達員から見たUber — 固定報酬・クーリエ・PPPの狙い
  6. 注文者から見たUber — 「高い」をどう崩すか
  7. まとめ — Uber視点の“勝ち”と、日本ローカルのこれから

1. Uber Eatsは「デリバリー帝国の本隊」— 世界決算から見る現在地

1-1. Uberは3つの軍団で動く

まず、Uberという会社全体の構造から押さえます。
公式な区分では、Uberには大きく

  • Mobility(ライドシェア=人を運ぶ)
  • Delivery(Uber Eatsなど=モノを運ぶ)
  • Freight(トラック物流)

という3つのセグメントがあります。
いま「Uber=タクシーアプリ」と思っている人も多いですが、会社としてはずっと前から「人とモノの移動プラットフォーム」として3本立てで動いています。

1-2. Deliveryはすでに黒字化している

では、その中の Delivery セグメント=Uber Eats 本隊はどうか。
Uberの年次報告書によると、Delivery部門は2021年の第4四半期に調整後EBITDAベースで黒字転換しており、2023年通期では前年より約9.5億ドルも利益が増えています。

2023年末の時点で、

  • 全体の総取扱高(Gross Bookings)は約3,760億ドル
  • そのうち Delivery だけで約1,700億ドル

という規模になっており、Mobilityに匹敵する柱に育っています。

2024年・2025年の決算でも、Deliveryは2桁成長を続けつつ、調整後EBITDAはしっかりプラスを維持。会社全体の営業利益も、2024年以降は四半期ベースで10億ドル規模が当たり前になりつつあります。

要するに、

「世界レベルで見れば、Uberのデリバリー事業はすでに安定した“稼ぎ頭”になっている」

というのが現状です。

1-3. だからこそ、日本は「撤退候補」ではなく「強化対象」

日本のTwitter界隈ではたまに、

  • Uber Eatsも赤字続きだから、そのうち日本から撤退するんじゃ?」
  • 「配達員の報酬が下がってるのは、撤退準備じゃないの?」

という不安が語られます。

でも、世界決算を見る限り、Uberの Delivery 全体は今やしっかり利益を出している中核事業です。
だから、日本はむしろ

  • アジアの先進国市場としての「見せ場」
  • マルチカテゴリ展開(フード+日用品+クーリエ)の実験場

というポジションを任されていると考えるほうが自然です。


2. Uberの勝ち筋①:マルチカテゴリOSになる

2-1. フードから「なんでもデリバリー」へ

Uber Eatsは、スタート時こそ「レストランの料理を運ぶアプリ」でしたが、今の戦略の中心は明らかにそこではありません。

  • レストランのフード
  • スーパー・コンビニ・ドラッグストアの食料品や日用品
  • 小売チェーンの商品(家電・雑貨など)
  • 「クーリエ」や「Connect」などの荷物配送

こうしたカテゴリーをひとつのアプリ上で扱うことで、「何かを届けたいときに開くアプリ=Uberというポジションを取りに来ています。

2-2. 物流インフラとしての Delivery 部門

決算資料を眺めると、Uber自身も Delivery を単なる「出前」扱いはしていません。

  • Delivery Gross Bookings は毎年2桁成長を維持
  • コロナ後の「外食の戻り」があっても、デリバリー需要は高止まり
  • 小売・日用品・ドラッグストアとのパートナーシップを増やしている

という背景から、Delivery 部門は「ラストワンマイル物流インフラ」の役割を期待されています。

ここに、ロケットナウや出前館・Wolt・menuも参戦している——というのが、日本ローカルで起きていることです。


3. Uberの勝ち筋②:サブスク(Uber One)で“囲い込む”

3-1. 全世界で3,000万超え規模のサブスク軍団

次の勝ち筋がUber One」です。
Uber One は、配送料無料や割引をまとめたサブスクリプションで、

  • 月額9.99ドル(地域により異なる)
  • フードデリバリーの手数料割引・無料配送
  • ライドの割引や特典

といった特典がつきます。

2024年時点で、Uber One は年間10億ドル超の売上ランレートに達しており、会員数は世界で2,500万〜3,600万規模まで拡大しています。:contentReference[oaicite:7]{index=7}
しかも、Uber One 会員は非会員の約3〜4倍の利用額・利益をもたらすとされていて、会社としてはここを「超優良顧客セグメント」として育てにいっています。

3-2. 日本版 Uber One の“損益分岐ライン”

日本でも Uber One は展開されていて、

  • 月額:498円
  • 年額:3,998円

という価格で提供されています(2024年〜25年時点)。

公式サイトの説明では、「Uber One 会員は平均で月1,700円ほど得をしている」という試算も出ていますが、これは当然「会費を払ってでもガンガン使う層」の平均なので、全員がそうなるわけではありません。

日本ユーザー視点で考えるなら、

  • 配送料・サービス料の割引額
  • たまに来るキャンペーン(半額・30%オフなど)
  • ライド(タクシー配車)をどれくらい使うか

まで含めて「月498円をペイできるか?」を計算する必要があります。
この辺りは、別途「Uber Oneで元を取る記事」でガチ計算する予定なので、ここでは

Uberは、世界規模のサブスク軍団を背景に、フード+ライドをまとめて囲い込む路線」

という構図だけ押さえておきます。

3-3. サブスクを“攻め手”にも“防衛ライン”にも使う

Uber One の面白いところは、

  • クーポンや値引きの「原資」としても使える
  • 競合がクーポンをばら撒いたときの「防御壁」にもなる

という点です。

会員が一度「Uber One 前提」の生活になってしまえば、

  • 多少ロケットナウが安くても、メインはUberで済ませる
  • 出前館・Wolt・menuはクーポンのときだけサブで使う

という行動に収れんしやすくなる。
つまり、Uber One は「攻めの武器」でありつつ、ロイヤルユーザーを手放さないための「城壁」にもなっています。


4. Uberにとって「日本」はどんな前線か

4-1. シェア最大だが、競争も激しい市場

日本のフードデリバリー市場を見てみると、調査会社のデータでは

  • Uber Eats がMAU(アプリの月間アクティブ利用者)で首位
  • 出前館が2番手
  • Wolt・menu・その他が残りを分け合う

という構図になっています。

一方で、ここ数年は Wolt や menu などの存在感が増し、Uber出前館はMAUシェアを少しずつ削られているというデータも出ています。

それでも依然として Uber Eats が「第一候補」であり続けていることを考えると、日本は

  • 競争は激しいが、まだ伸びしろがある先進国市場
  • ブランド認知が高く、Uber One との相性も良い

という、Uberにとっての重要な前線だと読み取れます。

4-2. 日本市場全体のサイズとこれから

日本のオンラインフードデリバリー市場は、2025年度時点で約70億ドル規模とされており、2033年度には110億ドルを超えるという予測も出ています。
さらに、EC全体では2028年に約3,400億ドル規模まで拡大すると見込まれていて、「アプリ経由で物が動く比率」は今後も上がっていきそうです。

そう考えると、日本はUberにとって

  • 短期的な利益だけでなく
  • ECと物流が結びつく時代の「ショーケース」

として扱われている可能性が高い。
ここにロケットナウ(Coupang系)や、出前館・Wolt・menuがどうからんでくるかが、まさに「デリバリー地政学」の見どころです。


5. 配達員から見たUber — 固定報酬・クーリエ・PPPの狙い

5-1. 単価は下がったが、「回転で稼ぐ」モデルへ

配達員目線でUberを見ると、この数年は

  • 1件あたりの報酬単価はじわじわ下がる
  • その代わり、件数をこなせば日当は出る(クエスト・インセンティブ含む)

という方向にシフトしてきました。

これは冷静に言えば、

「配達1件の値段」から、「1時間あたりいくら稼げるか」という世界への移行

です。

5-2. 固定報酬制と評価システムの意味

日本にも導入された「固定報酬制」や評価スコアとの組み合わせは、

  • Uber側:需要予測と原価管理をしやすくするため
  • 配達員側:エリアと時間を選べば、ある程度の収入が読めるようにするため

という、両面の意図があります。

実際には、「単価が安くなった」「スコアで選別されている感じがする」という不満も出やすい設計ですが、世界全体で見れば、ある程度“優先度の高い配達員”に仕事を集める仕組みとして機能させたいのだと思われます。

5-3. クーリエ・荷物デリバリーは“第二の柱”候補

2024〜25年にかけて、日本でも「Courier(クーリエ)」の案内メールが配達員に届き始めました。荷物だけを運ぶ案件をUber Driverアプリで受けられる仕組みです。

世界的には、Uber Connect や Courier/Direct といった「荷物系」のサービスはすでに展開されており、

  • フードのピーク時間帯とは別の時間に仕事を作れる
  • ライドが弱い都市でも「モノ運び」でプラットフォームを維持できる

というメリットがあります。

配達員から見れば、

  • 「フードが鳴らない時間帯の保険」
  • 原付・自転車の経験値を活かせる新しい収入源

として、第二の柱になりうる分野です。


6. 注文者から見たUber — 「高い」をどう崩すか

6-1. 手数料の正体と、「時間を買う」という考え方

注文者の立場から見ると、Uberはよく

  • 「手数料が高い」
  • 「店に行って買ったほうが安い」

と言われます。

これは半分その通りで、半分は見方の問題です。
配達料・サービス料は

  • 配達員の人件費(+ガソリン代・保険など)
  • アプリ・サーバー・サポートのコスト
  • パートナー店への集客コスト(広告・キャンペーン)

をまとめて払っている、という構造になっています。

言い換えると、Uberで払っているのは「料理そのものの値段」ではなく、「時間と手間をショートカットする料金」です。

ここを理解できると、

  • 忙しい日の夜だけ使う
  • 雨の日の買い物だけ使う
  • Uber One で送料ラインを安くして“日常使い”に寄せる

など、「どのシーンなら元が取れるか」を設計できるようになります。

6-2. Uber One で元を取る基準のざっくり目安

日本版 Uber One(498円/月)で元を取れるラインは、ざっくり言えば

  • フード+買い物代行で、月3〜4回以上注文する
  • そのうち1〜2回は「送料が高い時間帯(雨・夜)」に使う

あたりが一つの目安になります(細かい計算は別記事でやります)。

逆に言えば、月1〜2回しか使わないのであれば、その都度クーポンやロケットナウの無料キャンペーンを使ったほうが合理的です。

Uber自身はもちろん「Uber One で囲い込みたい」側ですが、ユーザー側としては、

  • Uber One を軸にしつつ、ロケットナウや出前館のクーポンもサブで使う
  • あるいは、クーポン特化でサブスクは使わない

など、自分の生活導線に合わせた“地政学的ミックス”を組むのが賢いやり方になります。


7. まとめ — Uber視点の“勝ち”と、日本ローカルのこれから

7-1. Uberが見ている「勝ち」の定義

ロケットナウ編との対比で、Uber Eats編の結論をまとめると、Uberが狙っている「勝ち」はだいたい次のようなものです。

  • 世界全体:Deliveryはすでに黒字化した柱事業。ラストワンマイル物流インフラとして、フード以外も含めた「なんでもデリバリーOS」になる。
  • サブスク:Uber One 会員を増やし、フードもライドも「まずUberで考える」生活習慣を作る。
  • 日本:シェア1位の先進国市場として、マルチカテゴリ展開・クーリエ・サブスクの“ショーケース”にする。

7-2. 日本ローカルから見たバランス感覚

一方、日本ローカル(配達員・注文者)の視点からは、

  • 配達員:Uberを「基盤」としつつ、ロケットナウや出前館・Woltで単価・件数のバランスを取る
  • 注文者:Uber One を軸にするか、クーポン+他社で回すかを時間と手間の削減効果で比べる
  • 全体:ロケットナウという外様大名の参入で、既存プレイヤーの戦い方も変わっていく

という「地政学的な駆け引き」が、これから数年続いていきます。

7-3. 次回:出前館編 — 8期連続赤字でも撤退しない理由

第2回では、Uberという“帝国本隊”の決算と戦略から、日本の位置づけを眺めました。
次回は、出前館です。

8期連続で赤字を出しながらも、なぜ撤退せずに走り続けているのか。
その先にどんな「逆転ホームラン」を見ているのか。
ロケットナウとUber、2つの外資プレイヤーを踏まえたうえで、日本ローカルの老舗プレイヤー出前館の「勝ち筋」を掘っていきます。

デリバリー地政学#01|ロケットナウという“外様大名” — なぜ配送料0円で殴り込むのか

夜の東京の高層ビル群を俯瞰した実写風の街並み。手前にロケットの光跡のような光のラインが走り、左側に細い縦帯で「ロケットナウ上陸」と白い日本語タイトルが入っている。実写風 16:9 2048×1152

 


デリバリー地政学#01|ロケットナウという“外様大名” — なぜ配送料0円で殴り込むのか

東京のタイムラインに、ある日いきなり「配送料0円・サービス料0円・初回クーポン4,000〜5,000円」というバグみたいなサービスが現れました。
名前は Rocket Now(ロケットナウ)。運営しているのは、韓国でAmazon的ポジションを取っているEC大手 Coupang(クーパン)の日本法人です。
「みんな赤字って言ってるのに、なんでさらに赤字になりそうなことをやるの?」
出前館やmenuも赤字続きなのに、そこへあえて殴り込む意味は?」
この記事では、ロケットナウを“デリバリー地政学”の視点で分解しながら、参入の狙いと、配達員・注文者への影響を整理していきます。


目次

  1. ロケットナウは何者か — 8カ月で100万DLの“黒船”
  2. なぜ配送料0円でバラ撒けるのか — 無料モデルの正体
  3. ロケットナウが狙う「地形」 — 東京23区という前線基地
  4. 配達員から見たロケットナウ — 高単価と“鳴らない現実”
  5. 注文者から見た“ただ飯タイム”と、そのあとに来るもの
  6. ロケットナウ編まとめ — 日本デリバリー戦線へのインパクト

1. ロケットナウは何者か — 8カ月で100万DLの“黒船”

1-1. 韓国Coupang発の「外様大名

まずはロケットナウの正体から整理します。
Rocket Now は、韓国の巨大EC企業 Coupang(クーパン)が日本で展開するフードデリバリー/買い物代行サービスです。運営会社は CP One Japan合同会社。韓国では「翌日配送」「ロケット配送」で知られ、Amazonの強力なライバルとして存在感を持つプレイヤーです。

つまりロケットナウは、「日本ローカルの新サービス」というより、“Coupang日本再上陸の尖兵”として送り込まれた外様大名と見たほうがしっくりきます。

1-2. 8カ月で100万DL、配送料0円という異常値

ロケットナウは2025年1月、まず東京都港区からスタートしました。その後、わずか数カ月で対象エリアを拡大し、東京23区全域へ。公式発表ベースでも、サービス開始から8カ月ほどでアプリ100万ダウンロードを突破したとされています。

立ち上げ期の条件は、既存のデリバリーアプリから見ればほとんど“反則”です。

  • 配送料:0円
  • サービス料:0円
  • サブスク会費:0円(会員登録のみ)
  • 初回注文向けに4,000〜5,000円クラスのクーポン配布
  • 一部店舗は店頭価格と同じ、もしくはそれ以下の設定

出前館Uber Eatsを日常的に使っている人からすれば、
「これ、本当に持つの?」
と心配になるレベルの条件です。

1-3. 「デリバリー地政学」で見たときの立ち位置

デリバリー市場を“地政学マップ”として眺めてみると、ロケットナウは次のようなポジションにあります。

  • Uber Eats:世界帝国の本隊
  • 出前館:日本ローカルの老舗大名
  • menu:KDDI経済圏の都市国家
  • Wolt:地方都市に強い“青い傭兵部隊”
  • Rocket Now:Coupangという別帝国から送り込まれた外様大名

既に混戦になっている日本デリバリー市場に、まったく別ブロックの資本が本気で入ってきた。そのフロントラインにいるのがロケットナウだ、と捉えておくと全体像が掴みやすくなります。


2. なぜ配送料0円でバラ撒けるのか — 無料モデルの正体

2-1. 普通に考えれば「確実に赤字」な条件

ここで一度、冷静に数字の感覚を持ち直しておきます。
配送料0円・サービス料0円・会費0円で、配達員にはそこそこの報酬を払い、アプリ開発・サーバー・カスタマーサポート・マーケ費用まで払う——。

シンプルに言えば、どう考えても赤字です。
では、なぜそれでも実行するのか。

その答えは、「今やっていることが、フードデリ単体での利益獲得ではなく、もっと大きな“盤面”を見ているから」です。

2-2. 回収レーン①:会員IDと利用ログという“資源”の獲得

Coupangは韓国で、Wow会員というサブスクリプションを軸に、買い物とコンテンツを束ねる「生活インフラ」を作っています。日本でも同じ構図を狙うのであれば、まず必要になるのは次の2つです。

  • どれだけ多くのユーザーIDを持てるか(登録会員数)
  • その人がどんな時間帯・どんな店で・いくらくらい使うかという利用ログ

ロケットナウの配送料無料・会費無料・クーポンばら撒きは、別の言い方をすれば
「IDと行動ログを買っている」
という形になります。

2-3. 回収レーン②:店舗側からのフィー(広告・販促費)

加盟店向けの説明を見ると、ロケットナウは「新規顧客の獲得」「広告・販促チャネル」としての側面をかなり強調しています。店舗によっては、ロケットナウ経由の注文を“広告費の一種”と考えているケースもあります。

これを分解すると、次のような流れが想定されます。

  1. 初期:ロケットナウ側が送料・サービス料をほぼ全負担し、加盟店の負担を軽くする
  2. 中期:店舗数・ユーザー数が増えてきた段階で、掲載料やマージン率を見直す
  3. 長期:アプリ内広告、検索順位の優先表示、クーポンの共同負担など、マーケティング費として回収していく

つまり、今の無料状態は「将来の広告ビジネスのために、母数を作っているフェーズ」だと見るのが自然です。

2-4. 回収レーン③:サブスク&ECへの“橋頭堡”

利用規約やアプリストアの説明文には、「各種特典や割引は予告なく変更・終了する場合があります」といった文言がしっかり入っています。
これは、

  • 無料期間が永遠ではないこと
  • いずれ、手数料・配送料・会費のどれか(あるいは全部)を見直すつもりでいること

を、あらかじめ宣言しているのに近いです。

Coupang本体のモデルを踏まえると、日本でも最終的には

  • 月額サブスク(Wow的な会員サービス)
  • フード/日用品/家電まで含めた総合EC
  • 動画などのコンテンツ連携

といった「生活インフラ型の束ね方」を目指していると考えたほうが現実的です。ロケットナウは、その前段階として「デリバリー経由で日常生活の入口を押さえる」役割を担っているように見えます。


3. ロケットナウが狙う「地形」 — 東京23区という前線基地

3-1. まずは“面と密度”が最高の首都圏から

ロケットナウがサービスを始めたのは、東京都港区。そこから順番に、高密度・高所得のエリアを中心に、東京23区へと広げていきました。
これは、地政学でいえば「まずは首都とその周辺の制空権・制海権を取りに行く動き」に近いです。

デリバリーにとって重要なのは、ざっくり言うと次の3つです。

  • :どれくらいの範囲を1つのエリアとして見るか
  • 密度:その中にどれだけ店舗と人がいるか
  • 導線:通勤・学校・買い物など、毎日人が動くルートがどこか

東京23区は、この3つの条件がほぼ最大値に近い「超・好立地」です。ここで勝てなければ、日本の他の都市でも苦戦する可能性が高い。一方で、23区である程度の成功モデルを作れれば、横浜・大阪・名古屋などの大都市圏に転用しやすいという面もあります。

3-2. 青葉区のような「中途半端な地形」が後回しになる理由

一方、横浜・青葉区のようなエリアはどうか。
店舗も人口もそこそこあり、所得も決して低くはない。けれど、東京23区ほどの密度はない——という中間ゾーンです。

ロケットナウ視点で考えると、

  • 1件あたりの配達距離が伸びやすい(=コスト増)
  • 短時間で稼げるオーダー密度がまだ足りない
  • プロモーション費用を投下しても、回収に時間がかかりやすい

という“三重苦”があります。

だからこそ、今のところは

  • 港区・渋谷区・新宿区・中央区といった中核区
  • そこからの延長で23区全体

が優先で、青葉区のような郊外エリアはどうしても後ろ倒しになる。
これはロケットナウに限らず、Uber EatsやWoltなど他社も通ってきた「都市攻略の定石」です。

3-3. “前線基地”としての東京攻略が意味するもの

東京23区でのロケットナウの動きは、日本全体の地図で見ると次のような意味を持ちます。

  • 日本の経済・メディア・人口の中心に「Coupangの旗」を立てる
  • ここで得たデータとノウハウを、他都市展開やEC事業に転用する
  • Uber出前館/menu/Woltと直接ぶつかり、相対的なポジションを測る

つまり、ロケットナウにとって東京23区は、単なる1エリアではなく、「日本再上陸戦争の前線基地」だと考えたほうがいいわけです。


4. 配達員から見たロケットナウ — 高単価と“鳴らない現実”

4-1. 表の顔:1件あたり単価は魅力的

ロケットナウの配達員向けキャンペーンや紹介記事を見ると、まず目につくのが「高単価」です。
長めの距離の案件では1件あたり1,000円超えも珍しくなく、ボーナス込みで1時間2,000〜3,000円を狙えるとアピールされることもあります。

これは、Uber Eatsや出前館の「最近の単価」を知っている配達員から見れば、かなり魅力的に映ります。とくにガソリン代や物価が上がる中で、
「同じ1時間でも、こっちで鳴ってくれるならロケットナウを優先したい」
と感じるのは自然な流れです。

4-2. 裏の顔:そもそも鳴らない、評価が重い

とはいえ、実際に稼働してみると、

  • エリアや時間帯によっては、そもそも鳴りが少ない
  • 新規サービスゆえに、需要と供給のバランスが安定していない
  • 評価システムが重く感じられる(1件のバッドで%が大きく動く)

といった “現場ならではのしんどさ”も見えてきます。

これはロケットナウが悪いというより、「立ち上げ期の宿命」です。
店舗数とユーザー数がまだ少ない状態では、どうしてもオーダーが偏り、時間帯によって「暇すぎる時間」と「いきなり忙しくなる時間」が極端になりがちです。

4-3. ロケットナウ視点:配達員への赤字投資フェーズ

会社側の視点で整理すると、今のロケットナウは

  • 注文者側には無料&クーポンで赤字
  • 配達員側にも高単価&ボーナスで赤字

という、ダブル赤字の構造になっています。

それでも続けるのは、「ここで配達品質の骨格になる人たちをつかまえたい」からです。
どんなデリバリーサービスでも、現場を支えるのは、結局のところ

  • 土地勘があって
  • オペレーションに慣れていて
  • 悪天候の日もある程度走ってくれる

という層の配達員です。
ロケットナウは、その層を「単価」で一度振り向かせにきている状態だと言えます。

4-4. 配達員としてどう付き合うか:現実的なスタンス

配達員側として、ロケットナウをどう位置づけるのが現実的か。現状の答えは、おそらくこうです。

  • 短期:高単価キャンペーン期の“ブースター”として活用する
  • 中期:Uber出前館とのバランスを見ながら、件数・TPH・時給ベースで冷静に比較する
  • 長期:サービス継続性(撤退リスク)を見極めて、依存しすぎないラインを決める

要するに、「ロケットナウ一本足」に賭けるのではなく、Uber出前館など既存の柱をベースにした上で、ロケットナウは“高単価のサブエンジン”として扱うという戦い方が、しばらくは現実的になります。


5. 注文者から見た“ただ飯タイム”と、そのあとに来るもの

5-1. 今はほぼ「チート」なコスパ

注文者側の立場に立つと、今のロケットナウはほぼ「チート」です。

  • 配送料・サービス料が完全無料
  • 店頭と同じ価格、あるいはそれ以下の店舗もある
  • 初回クーポンで4,000〜5,000円相当の割引が狙える

実際、「0円でインドカレーが届いた」「バーガーキングが実質無料だった」といった体験談がSNSやブログで共有され、「さすがに怖くなるレベルで安い」という声も出ています。

短期的には、ユーザー側のリスクはほぼゼロです。
アプリ登録と決済手段の設定をするだけで、既存サービスより圧倒的に安い条件でご飯が届くのですから、使わない手はありません。

5-2. 中期:値上げ・サブスク化・カテゴリ拡張の三叉路

ただし、この状態がいつまでも続くとはロケットナウ自身も言っていません。
利用規約にある通り、各種特典や割引は予告なく変更・終了する可能性があります。

日本のデリバリー市場全体の構造を考えると、ロケットナウが次に選べるカードはだいたい次の3つです。

  • 値上げ:配送料やサービス料を少しずつ、他社に近づけていく
  • サブスク化:Wow会員のような月額制にして、会員には引き続き送料無料や特典をつける
  • カテゴリ拡張:飲食だけでなく、スーパー・ドラッグストア・日用品・家電など、総合ECに近づけていく

どのルートを選ぶにせよ、ユーザー側からすると「ロケットナウ vs Uber One vs 出前館のクーポン vs 他の買い物手段」を改めて比較し直すタイミングが、必ずどこかでやってきます。

5-3. 長期:新しい“生活インフラ候補”としてのロケットナウ

もしCoupangが日本で本気を出し続けた場合、ロケットナウは単なるデリバリーアプリではなく、

に並ぶ、もう一つの“生活インフラ候補”になる可能性があります。

そうなったとき、注文者側にとっての問いはシンプルです。

  • どこにどれだけ依存するか(Amazonにどれだけ寄せるか、楽天にどれだけ寄せるか、そこにCoupangを足すのか)
  • ポイント・サブスク・送料・到着スピードのバランスをどこで取るか

ロケットナウの「ただ飯タイム」は、その入口に過ぎません。
今のうちにクーポンを最大限活用しつつ、将来の値上げ・サブスク化・EC統合まで含めて、自分の生活スタイルに合うラインを考えておくことが、注文者側の“地政学リテラシー”になっていきます。


6. ロケットナウ編まとめ — 日本デリバリー戦線へのインパク

6-1. なぜ赤字でも続けるのか? その先に何があるのか?

最初の問いに戻ります。

  • なぜロケットナウは、明らかに赤字になる条件で参入しているのか?
  • その先に、どんな“勝ち”を見ているのか?

ここまで見てきた限り、答えはこう整理できます。

  • 短期:配送料0円・クーポンで、会員IDと利用ログを一気に集めるフェーズ
  • 中期:店舗側からのフィー、アプリ内広告、手数料見直しで収支を整えるフェーズ
  • 長期:サブスクと総合ECを含めた「日本版Coupangインフラ」を打ち立てるフェーズ

そのための前線基地が東京23区であり、そのための外様大名がロケットナウだ、というのがこの第1回の結論です。

6-2. 配達員・注文者にとっての意味

最後に、現場にいる私たちにとって何を意味するのかを、配達員・注文者それぞれでまとめておきます。

配達員にとって

  • 高単価キャンペーンという新しい“ブースター”が増えた
  • ただし鳴り・撤退リスクを冷静に見て、Uber出前館ベース+ロケットナウで増し盛りくらいの距離感が現実的
  • 複数プラットフォームをどう組み合わせるか、戦略の幅が広がった

注文者にとって

  • しばらくは「ただ飯タイム」を楽しめるチャンス
  • 将来的には、ロケットナウを含めて生活インフラとしてどこをメインに据えるかを考える必要が出てくる
  • Uber One/他社クーポン/実店舗購入との比較が、これまで以上に重要になる

6-3. 次回:Uber Eats編へ — 世界決算から見える「日本の役割」

デリバリー地政学シリーズの第1回は、外様大名ロケットナウの「なぜここまで赤字前提で殴り込むのか?」を解きほぐしました。
次回は、いよいよUber Eats編です。

世界決算の数字から、Uberにとって日本市場がどんな役割を担っているのか。
そして、配達員・注文者・飲食店から見た「Uberの勝ち筋」がロケットナウとどう違うのか。
そこを横串で見ていくことで、「みんな赤字って言うけど、本当は何を取り合っているのか?」が、さらに立体的に見えてくるはずです。

ロケットナウ記事シリーズ #01|配達員の声から始める「基本・応用・改善要望」

 

ロケットナウ記事シリーズ #01|配達員の声から始める「基本・応用・改善要望」

夜の交差点でロケットナウの配達員が信号待ちをする実写風の横長写真。左に赤い縦帯、上部に横書きタイトル「ロケットナウ記事シリーズ #01|配達員の声から始める『基本・応用・改善要望』」。16:9(2048×1152)。

 


私たちは、ロケットナウにこの夏から実際に稼働し続け、嬉しさと苛立ちの両方を味わってきた。
結論から言おう。このサービスは「伸びしろ」が大きい。だが同時に、配達員が稼働するほど表に出てくる矛盾や、開発・営業・運用の三位一体で直せるはずの“惜しい点”もまた多い。
本稿は、教科書風の中立解説ではない。私たちの声から始まる「実感の整理」であり、改善のための要求書でもある。
Part1では、基本編(前提・仕組み・初期設定)、応用編(受け基準・時間帯戦略・地図運用・封筒管理の考え方)、そして問題点と改善提案(配達員の声)を一気にまとめる。地域差のある“実務テク”は最小限に抑え、誰の地域にも通用する「仕組みと矛盾」に焦点を合わせる。


基本編:ロケットナウを成立させる前提と仕組み

1) “鳴り”と商圏密度の関係

ロケットナウは、アプリ上の“鳴り”が地域の加盟店密度と強く連動する。私たちの商圏(郊外寄り)では、鳴りが間欠的で、ピーク以外は無音の時間が長い。一方、都心寄り・駅前密集地では鳴りが比較的安定する時間帯が見えるという話も聞く。
重要なのは「自分の商圏の鳴り特性」を事実として受け入れることだ。鳴らない時間を嘆いてアプリを睨んでも利益は増えない。鳴らない時間に何をするか、何に切り替えるか(他アプリや待機地点の再設計)を決めるほうが収益に効く。

2) 価格構造(“同価格”や“送料無料”の意味)

注文者に対する“同価格”“送料無料”の打ち出しは、短期的には注文ハードルを下げる強い武器だ。私たち配達員にも新規需要を連れてくる。しかし、中期的にはキャンペーンコストをどう回収するのかという問いに必ず突き当たる。
私たちの体感では、こうした施策が続く間は「案件の増減が極端」になりやすく、キャンペーン終了後に反動(鳴りの谷)が来る懸念も拭えない。これは現場から見える“サイクルの揺れ”として記録しておくべきポイントだ。

3) アプリの基本挙動:受注→移動→受け渡し

受注通知は比較的シンプルだが、通知の出方・可視化は改善余地がある。特に、注文詳細の“重要情報(建物仕様、受け渡し指示、写真の撮り直し可否)”が一目で分からないと、置き配の再撮影・追記指示の有無に戸惑う。
また、ナビゲーションでは地図アプリの切替や建物のアプローチ導線が見えにくいケースがある。私たちの稼働ログでは、到着後の迷いTPH(1時間あたりの完了件数)を食い、結果的に封筒(当日利益)を削る場面が複数回あった。

4) 「可視化」による心理ダメージ

配達後の評価・スコアの“可視化”は、私たちのテンションを下げる最も強い要因のひとつだった。低評価が正当か不当かを問わず、理由の非対称性(なぜ低評価なのか、どんな基準だったのかが見えない)が続くと、行動改善の指針にならない。
現場としては、「行動に落とせるフィードバック」が必要だ。抽象的な数字だけなら、むしろ非表示のほうがマシという瞬間がある。心理の摩耗は、稼働継続率と直接つながるからだ。

応用編:受け基準・時間・地図・封筒管理の型

1) 受け基準(Accept Criteria)の再定義

鳴りがまばらな商圏では、案件を厳選しすぎると「稼働時間=待ち時間」になり収益が崩れる。私たちは次のような受け基準を“条件分岐”で運用している。
静的条件:距離レンジ(例:~3km/3–6km/6km+)×標高差×左折優位の導線か。
動的条件:現在地の時間帯(例:平日夕方・週末夜間など)×鳴り密度×渋滞・雨・気温。
封筒条件:当日目標利益までの残額/残時間/想定TPH(フラットレートハンドブック参照)。
これらを掛け合わせ、“待ちすぎるなら受ける”を合言葉に基準を“柔らかく”運用する。商圏差が激しいからこそ、硬直した受け基準は破綻しやすい。

2) 時間帯の“鳴りパターン”を週で観る

日単位ではなく週パターンで鳴りの型を把握するのが有効だった。例えば「平日17–20時に2つ山」「土曜は午後の谷→夜の山」「日曜は昼の山が長い」など、自分の商圏の呼吸をつかむ。
そして、鳴りの谷では「他アプリに切替」「待機場所の再学習」「水分・栄養・ストレッチ・装備の点検」を“生産的な暇”に変える。何もしない暇は精神を削り、受け判断を狂わせる。

3) 地図と建物——“最後の50メートル”の最適化

現場で時間を食うのは大抵“最後の50m”。
マンションのアプローチ導線、エレベーター位置、建物名称表記の揺れ(新旧名称・英字/かなの混在)、ピンずれは、TPH直撃のロス要因だ。私たちは到着後の導線を写真メモ単語メモで残し、再配達時の迷いを1回で潰す。アプリ側のマップ情報が薄いなら、現場側の“辞書づくり”で上書きする。

4) 封筒管理(当日利益)と“やめどき”

封筒(当日利益)を死守するために、「やめどき」を最初に決めてから出る
例えば「残り目標 9,000円=想定単価500円×18件=所要6時間(TPH=3)」「今の鳴りなら実現性△」という試算を出す。途中でTPHが崩れたら撤退。
私たちのルールは、体力・集中・安全余力を削る前に終えることだ。配達員の道標(教科書版)でも繰り返してきたが、翌日に“生きて”戻るのが最重要KPIである。

配達員の声:問題点の可視化と「改善要求」

1) 評価の可視化が過度にメンタルを削る

低評価の理由が曖昧なまま数字だけが刺さる。改善要求:評価入力時に「選択式+自由記述(任意)」を注文者に提示し、配達員側には行動可能な項目を要約表示してほしい。曖昧な低評価は非表示または重みを下げる運用を検討してほしい。

2) 受け渡し証跡の仕様が分かりづらい

置き配の撮影・再撮・追記の許容範囲が場面ごとに読み取りづらい。改善要求:各ステップの画面に「この場面で必要な最小要件(写真枚数・再撮可否・追記の例)」を明示し、失敗しないUIを作ってほしい。
併せて、撮影ガイド(枠合わせ・明るさ・被写体距離)を半透明オーバーレイで出せば、証跡品質が底上げされる。

3) 地図情報の粒度不足(最後の50mで迷う)

建物のアプローチ導線・エレベーター位置・入口種別など“到着後の迷い”がTPHを潰す。改善要求:配達員側から「建物Tips(短文+写真)」を投稿・スクリーニングできる仕組みを公式で用意し、評価と報酬を付けて循環させてほしい。
似た取組は宅配各社で成果が出ている。ロケットナウ版の“建物辞書”があれば、現場ロスは大幅に減る。

4) 鳴りの不確実性に対する“切替”支援が薄い

鳴らない時間は精神を削る。改善要求:アプリに「鳴り予報(過去傾向×イベント×天気)」「推奨待機スポット(混雑/治安/駐輪適性)」を表示してほしい。
さらに、他アプリとの併用を前提とするなら「現在の鳴り指数に応じた切替ガイド」を提供し、配達員の“歩留まり”を高める方向で共存戦略を描いてほしい。

5) 加盟店の薄さと裾野の狭さ

私たちの商圏では、バーガー系(バーキンウェンディーズ)と一部インド料理に偏り、定期需要の幅が狭い改善要求:コンビニ・カフェ・牛丼・ファミレス・ベーカリー・ローカル惣菜店など、“日常の頻度を支える業態”の拡張を最優先に。営業のKPIを「新規契約数」から「週次アクティブ店舗率」「繰り返し注文の発生率」へ移してほしい。

6) キャンペーン頼みの需給形成

“同価格”“送料無料”は強いが、持続可能性の設計が見えない。改善要求:キャンペーン後の価格レンジと、配達員報酬が痩せない設計(最低保証・ピークインセンティブのルール)を先に示し、中期の安心感を提示してほしい。

7) 不可抗力案件の救済ルール

受け渡し先のインターホン不通、建物側の特殊ルール、店舗側の準備遅延など“配達員に帰責できない遅延”が一定数ある。改善要求:これらの場面を定義し、自動救済(時給換算の補填/待機上限の明確化)をルール化してほしい。

Uberなど他社との比較観点(配達員視点)

Uberは“品揃え・認知・導線設計”で先手を取っている。
私たちの地域では、ガスト/デニーズ/ケンタッキー/すき家/かつ庵/コメダ/モス等がロケットナウでは未カバーで、注文者としての“行き先の多さ”はUberが圧倒的に有利だ。配達員は報酬次第でどこへでも行くが、注文が動かなければ案件は生まれない
ロケットナウが勝つ道は、“日常の反復需要”の獲得と、配達員が安心して稼働を継続できる仕組みを早期に提示することだ。前者は加盟店の裾野、後者はUI/ルール/報酬の三点セットで決まる。

編集後記:注文者としての実感と懸念

注文者の立場で見ても、“同価格”“送料無料”の強さは体感できる。一方で、いつまで続けられるのかという懸念が常につきまとう。
生鮮・日用品・コンビニ領域の弱さは、注文頻度の母集団を小さくし、結果として配達員側の鳴り不安定を招く。これを埋めるには、毎日使うカテゴリーの厚みが欠かせない。
私たちはロケットナウに「勝ってほしい」と思っている。だからこそ、現場視点の改善要求を淡々と積み上げる。本稿はその第一歩だ。次回は、店舗オペと配達導線の“現実”を、もう少し深く覗いていく。


行動する

ロケットナウの改善を現場から後押しする仲間が必要だ。まずは小さく稼働して、あなたの商圏の“呼吸”を記録してほしい。
ロケナウ配達パートナー募集
併用派は、→ Uber配達パートナー募集

🧩本日のミニパズル

次の絵文字方程式を解こう:

🍔 + 🍟 = 6 / 🍟 + 🥤 = 5 / 🍔 + 🥤 = 7 → 🍔 + 🍟 + 🥤 = ?

 

セブン‐イレブン初の“ブラックフライデー”企画|揚げ物が日替わり半額(全国・11/27〜11/30の4日間)

ブラックフライデー揚げ物日替わり半額の告知ビジュアル(期間:11/27–11/30)




概要:セブン‐イレブンが2025年11月27日(木)〜30日(日)の4日間、ブラックフライデーに合わせて「揚げ物 日替わり半額セール」を全国で実施。定番の北海道じゃがいもの牛肉コロッケ五目春巻揚げ鶏が日替わりで半額になります(最大112円引・標準価格比、税抜)。

出典:PR TIMESセブン‐イレブンとして初!!ブラックフライデーに合わせて『揚げ物日替わり半額セール』を開催

  • 期間:11/27(木)〜11/30(日)<4日間限定・全国>
  • 値引:セブン‐イレブン標準価格から半額(最大112円引、税抜)
  • 対象:コロッケ/五目春巻/揚げ鶏(各日替わり)
  • 備考:税込価格は軽減税率8%表記/店舗により価格・取扱が異なる場合あり

日替わり対象と価格

日付 商品 半額価格 通常価格 販売エリア
11/27(木) 北海道じゃがいもの牛肉コロッケ 50円(税込54円) 100円(税込108円) 全国
11/28(金)・11/30(日) 五目春巻 56円(税込60.48円) 112円(税込120.96円) 全国
11/29(土) 揚げ鶏 111円(税込119.88円) 223円(税込240.84円) 全国

※税込は軽減税率8%表記。店舗によって価格が異なる場合あり。予定数終了・仕入等の事情で取扱終了の場合あり。商品名・規格が一部異なる場合あり。画像はイメージ。

基本情報

名称 ブラックフライデー「揚げ物 日替わり半額セール」
実施期間 2025年11月27日(木)〜11月30日(日)
対象商品 北海道じゃがいもの牛肉コロッケ/五目春巻/揚げ鶏(各日替わり)
実施 全国のセブン‐イレブン(店舗により取扱い・価格が異なる場合あり)
企業 株式会社セブン‐イレブン・ジャパン
詳細 特設ページ

使い方のコツ

  1. 仕事帰りの夕方〜夜に寄って半額を活用(おかず・おつまみの一品に)。
  2. スケジュールを事前共有(家族・同僚)で狙い撃ち。春巻は2日間あるのでチャンス多め。
  3. 店舗差があるため、最寄り店の価格・在庫はその場で確認。

北海道じゃがいもの牛肉コロッケの断面アップ

五目春巻の盛り付け(皮のパリッと食感・具材の断面)

揚げ鶏のカットアップ(ジューシーな肉汁のイメージ)

 


税込価格は軽減税率8%での表記です。店舗によって価格が異なる場合があります。予定数終了、仕入・天候等の事情により取扱いが終了する場合があります。最新情報は特設ページをご確認ください。

編集後記

“春巻が2日間”、中日には“揚げ鶏”という並びで、4日間の再来店動機を作っているのが巧い。夕食のサイドや軽食にフィットする価格帯なので、日付の明記と税込表記の差異だけ注意しました。

 

 

海外クーリエ最前線:Uber Courier/Connect/Directの課題・改善・事例まとめ

海外のオフィス街で小包を受け渡すクーリエと依頼人。中央に白い横文字「Courier」。実写風 16:9 2048×1152

 


海外クーリエ最前線|何が課題で、どう直したか(Uber Connect/Courier/Directの比較と実例)

前回は「はじめる(告知)」、直近は「はじまりました(実務ガイド)」でした。次は“事例”です。海外の現場で何が起き、どう改善されてきたかを、規約・公式ヘルプ・導入事例から俯瞰します。

用語の整理:Connect/Courier/Direct

  • Uber Connect(パッケージ配送):個人や店舗が“単発”で小包を送る機能。サイズ・重量・禁止品ルールが国ごとに設定。紛失・破損時のクレーム手続きが定義されています。
  • Courier/Package(配達パートナー側のガイド):配達員向けの運用と制限(重量・サイズ・禁止品・キャンセル権限など)を規定。
  • Uber Direct店舗の自社チャネルに“白ラベル”で当日配送を組み込むB2BAPIと料金体系が別枠で、海外では大手小売・外食チェーンが導入。

各国ルールのスナップショット(例)

地域 重量上限 サイズ目安 特徴
米国(Connect) 30lbs(約13.6kg) ミッドサイズ車のトランクに収まること 禁止品リスト明記/密封・梱包必須。
豪州(Connect/Direct/Courier) Direct 20kg/Courier 20kg(Bikeは7kg) 50×45×30cm(Bike基準) 公式ブログで詳細ガイド。
グローバル(Courierガイド例) 8kg(2輪)/20kg(4輪)など 45×45×30cmなど 配達員のキャンセル権限・安全最優先。

数値は国・車両・プロダクトで変動します。記事末のリンクから各国ヘルプを必ず確認してください。

海外で顕在化した主な課題(抜粋)

  1. 禁止品・規約違反の持ち込み:喫煙関連・薬品・高価品など“禁止・制限品”の解釈差。配達員には受取前キャンセルの権限が明示。
  2. 置き配後の盗難(Porch piracy):対面不要フローで受け渡し証跡が薄いと、責任分界が曖昧になりがち。
  3. PIN運用のばらつき:PIN入力が“任意”の国・場面も残り、詐欺・誤受領の余地が指摘されるケース。
  4. 紛失・破損時のクレーム導線:補償の適用条件・提出書類が煩雑で、ユーザー理解に差。
  5. 規模拡大の難しさ(事業側):直販配送(Direct)は競合状況・契約条件で拡張の制約を受ける事例。

責任分界マップ(受領前→受領時→置き配→返却)

  • 受領前:依頼者責任(梱包・禁止品申告)。配達員は不適合なら<受取前キャンセル>。
  • 受領時:相互責任(対面/PINで受領確認)。
  • 置き配:依頼者選好。配達員は<写真3枚+メッセ>で証跡化。
  • 返却:プラットフォーム指示に従い返却。返却先不在は置き配可(写真推奨)。

海外で取られている/取るべき改善策

  • PINデフォルト化+本人確認強化:高単価・再配達コストが見込まれる案件はPIN必須で“受領の一意性”を担保。
  • 写真とメッセージの二重証跡:置き配・返却時は位置が分かる写真を送付(ヘルプでも推奨)。
  • 配達員のキャンセル権限を前面に:禁止品疑い・サイズ超過・安全不安はキャンセルしてよい旨を明文化。
  • 損害ポリシーの可視化:補償の“閾値(上限・除外)”をカード化し、依頼前に同意させる。
  • B2B直送(Uber Direct)の活用:店舗側は白ラベルで“自社の体験と顧客データ”を保ちつつ当日配送を組み込める。

PINポリシー比較&日本の推奨ルール

条件 PIN
高額/再配達コスト高 電子機器・重要書類 必須
機密度高 本人限定/企業機密 必須
夜間/長距離 20:00–翌6:00 / 10km超 推奨
一般小包 非高額・非機密 対面>置き配

導入・拡張の事例

  • Olive Garden(米)× Uber Direct:個別注文の配達をDirectで本格導入へ。自社データを保ちつつ配送網を活用。
  • Bunnings(豪)× Uber Direct:都市圏に続き地方店でも当日配送を拡張。15km圏で同日配送を標準化。
  • 豪州のConnect/Courier案内:重量20kg・車トランクに収まる等の基準を明確化し、路肩受け渡しを徹底。

建物セキュリティ対応(オフィス/マンション)

  • コンシェルジュ常駐:管理受付→訪問先呼び出し→受領確認→引渡し。
  • 通行証エリア:来客用パス受領→指定階→対面/PIN。
  • 宅配BOX指示時:BOX番号/解錠方法を確認。写真は規約範囲で最小限。

日本の運用に活かす“海外型チェックリスト”

  1. 受ける前に4点チェック:サイズ・重量・梱包・禁止品。
  2. 受領方式はPIN>対面>置き配の優先順で検討(高価・再配コスト高はPIN必須)。
  3. 置き配・返却は写真+アプリ内メッセージで証跡化。
  4. 違和感があれば受取前キャンセル(安全最優先)。

証跡プロトコル(3枚写真+定型メッセ)

  1. 全景(建物/扉が分かる)
  2. 設置箇所アップ(足元・BOX)
  3. 目印(表札/部屋番号/ポスト等)

置き配完了メッセ:「指定場所にお届けし写真で共有します。ご確認ください。」

返却置き配メッセ:「返却先不在のため、玄関前(またはBOX)に置き配で完了しました。写真を送付します。」

補償クイックカード(理解しておくこと)

  • 適用対象:規約順守・指示に従った配達での紛失/破損
  • 除外例:梱包不良/禁止品/虚偽申告/受領確認欠如
  • 提出物:時系列・写真・メッセ履歴・受領方式(PIN/対面/置き配)

日本向け運用ガイド(海外事例を踏まえた予測対応)

  1. 受け基準:45×45×30cm/8kg(2輪目安)・梱包密封・禁止品なし→満たさなければ受取前キャンセル。
  2. PINデフォルト化:高額/機密/夜間/長距離はPIN必須。
  3. 証跡:置き配・返却は写真3枚+メッセ。対面はPIN/受領名メモ。
  4. 安全:人通り少ない場所は“明所へ誘導”を提案(定型文)。
  5. エスカレーション:アプリサポート→(必要なら)警察→管理会社。全てログ保存。

個人情報ミニポリシー

  • 写真は住所特定情報が最小になる構図(全景は引き/名札アップは避ける)。
  • スクショや写真の外部流用禁止。ブログ掲出時はぼかし義務化。

FAQ(現場の勘所)

Q. PINが設定されていない高額っぽい荷物は?
A. 受け取り前に送り主へPIN設定可否を確認。不可なら対面署名/氏名確認に切替、置き配は回避。
Q. 住所が曖昧・部屋番号なしは?
A. 受け取り前に修正依頼。確定しない場合は受取前キャンセル(安全・規約優先)。
Q. 置き配要求だが入口が暗くて不安。
A. 明るい場所への誘導を提案(定型文)。難しければ対面/PINへ変更依頼。変更内容はメッセに記録。
Q. 返却先が“会社受付の外箱”指定で不在。
A. 指定に従い置き配可だが、箱の状態・周囲を含む写真+メッセ。管理者名が分かれば文面に追記。
Q. 梱包が脆弱(破れ・テープ不十分)。
A. 受取前キャンセル。応急処置の提案はできても、破損リスクは配達員の責務ではない。
Q. 受領後に内容物クレームが来た。
A. 受領方式(PIN/対面/置き配)と写真・メッセ履歴を提示。内容物の真偽は依頼者-受取人間の調整に移る。
Q. マンションの撮影規制がある。
A. 建物規約に従う。撮影不可なら、扉番号が入らない“設置位置の代替写真”+詳細メッセで補う。

編集後記/内部リンク/CTA

海外の改善は「PINの徹底」「写真とメッセージの証跡」「配達員のキャンセル権限の可視化」が三本柱。日本でも、この三点を“型”に落とすだけでトラブルの母数が確実に減ります。